東京都議選(7月4日投開票)は26日、最初の週末を迎えたが、東京五輪・パラリンピックをめぐる論戦は序盤から焦点がボケ、色あせている。自公政権は開催へ向けた最終調整を加速させているが、一方で開催都市お膝元の都議会自民、公明両党は、温度差と戸惑いを隠せない。
都議会の自公は公約として五輪について明記せず、「感染対策を徹底して開催」に指針を示すに留めた。有権者には新型コロナ対策やワクチン接種の遅れなどへの批判がくすぶる。この日、都内の新規感染者数は534人と増加傾向は止まらず、自公支持者の中にも五輪中止や疑問の声が収束しない。「開催とか、成功させようとか言う雰囲気ではない」と、ある自民党候補は断言する。五輪に関してスルーする候補者も少なくない。
特別顧問を務める小池百合子都知事との連携を強調する都民ファーストの会「無観客開催」を掲げた。小池氏が「準備を進めている」と推進の立場ながら、あえて条件付き開催を打ち出した。現有46議席から1ケタ台の敗退予測もある苦境の中で議席死守へ小池氏と協議し、ぎりぎりの妥協を引き出したとみられる。
他の主要政党も、さまざまだ。共産、れいわ新撰組は「五輪中止」を明確に打ち出すが、立憲民主党は「延期か中止」と延期の選択肢を入れ、日本維新の会は「感染状況によって開催か延期」と延期の可能性を加えた。維新の馬場伸幸幹事長は開催派だが、今回ばかりは背に腹は代えられないようだ。
告示前に菅政権は東京五輪・パラリンピック開催へ最後の詰めに入った。既定路線となったからには、公約に中止や延期を並べても期を逸した感も強い。有権者の反応と投票行動を伺う中で五輪開催可否の論戦は、すでに消化試合の様相を呈してきた。【大上悟】

