将棋の豊島将之叡王(竜王=31)に藤井聡太2冠(棋聖・王位=19)が挑戦する叡王戦5番勝負第3局が9日、名古屋市の老舗料亭「か茂免」で始まった。シリーズの対戦成績は1勝1敗。藤井が勝てば、史上最年少3冠へ王手となる。豊島は叡王初防衛へ目指す。 午前8時47分、黒い羽織の和装姿で藤井が入室。同48分、豊島はグレーの羽織をまとい、対局場に登場した。

午前9時、立会人の久保利明(45)が定刻になったことを告げると、お互いに深々と一礼し、対局を始めた。先手の藤井はいつものようにお茶を一口飲み、心を整えてから2六歩と飛車先の歩を突いた。豊島は飛車先の歩を突き返した。戦型は両者が得意とする角換わりに進んだ。

両者の過去の対戦戦績は豊島の8勝4敗。叡王戦第1局は藤井が終盤の競り合いを制し、第2局は終盤、豊島が勝負手を繰り出して、逆転勝ち。シリーズの対戦成績をタイの戻すとともに、対藤井戦の公式戦連敗を3で止めた。

愛知県一宮市出身の豊島と愛知県瀬戸市出身の藤井の“尾張対決”。22日の第4局も地元・名古屋で行われ、地元2連戦になる。

対局は持ち時間が各4時間。昼食休憩をはさみ、夜までに決着する見込み。