北海道白糠町の福地裕行町議(71)が、マスクを着用せず出席した7月5日の臨時町議会で発言を禁止されたとして、町議会と町を相手に20万円の損害賠償と議会に出る権利などを求めて訴訟を釧路地裁に起こしていたことが10日、福地氏への取材で分かった。

提訴は8月30日付。福地氏によると「新型コロナウイルスの感染防止に効果はなく、息苦しくなるだけ」とマスクを着用しない持論を展開し、富田忠行議長に退席を要求されたもの。それでも福地氏は「退出しない」と主張し席から動かなかった。富田議長は福地氏に議場における発言を禁止し、福地氏の周辺3議員には離れた別の席に移動するように告げた。

福地氏は「中座して議会事務局で職員から不織布マスクを借りて、口の部分を四角く切り取って着用して、マスクですと言った」ものの、富田議長から「それはマスクではない」と却下され発言は認められなかったという。

福地氏は9月13日の議会にはフェイスガードをして出席するとしており、議会事務局では「マスクかフェイスガード着用のルールなのでフェイスガード着用ならば問題はない」としている。北海道庁では、マスク着用について「国の提示したデータでもマスクの有用性は認められており、国のガイドラインに沿って道民にもマスク着用を推奨している」とした。【寺沢卓】