東京都狛江市が、若年層の新型コロナワクチン接種率アップへ、「SAVE KOMAE PROJECT~ワクチン接種は、コマエを救う~」と題した接種促進企画を開始した。「接種しやすくなる、したくなる」をテーマに、「都合があわない」「関心がない」などの声の解消が目的。同市新型コロナウイルス予防接種室長の田部井則人さんは「20代が他世代に比べて接種率が低い。予約なしで、自宅の近くや、帰り道で接種出来るようにしたかった」。12~39歳2万5561人の接種率は現在63%だが、75%を目標に掲げた。

会場は小田急線喜多見駅近くの居酒屋も使う。当初は居酒屋の一部スペースを経過観察に使う予定だったが、今月1日から緊急事態宣言が解除され、営業再開で変更。田部井室長は「隣接するサテライトオフィスで接種、経過観察。居酒屋の中を通って帰っていただく」と説明。同企画のポスターには飲食店店主らを起用。「心置きなく、おいしいビールが飲める世の中になりますように」「ぼくらのお店はおしゃべりがいちばんのおつまみです」などのキャッチコピーも添え、接種と飲食店景気回復の連動を共有する狙いもある。

人数制限も設けていないため、ランチやディナー前後に、予約なしで接種可能だ。「接種前後に飲酒されることは推奨出来ません」と田部井室長は念を押す。接種した29歳男性は「打っても安心は出来ないですが、落ち着いたらこの店に来て飲みたい」。医療系大学に通う20歳女性も「病院実習前に家の近くで受けられて良かった。終息したら友達や家族と海外旅行に行きたい」。感謝の声があふれていた。

1日、2日は32人が受けた。“居酒屋隣接ワクチン”は8日午後5時半から同7時45分、9日午前9時から同11時15分にも予定。15、16日には和泉多摩川駅北口駅前ロータリー付近でも実施する。目標まで、あと2991人(9月26日時点)と人数表記し、市内各所でカウントダウンボードも設置して、若者の意識を高めていく。【鎌田直秀】