本因坊文裕(井山裕太本因坊・名人・王座・碁聖=32)が挑戦者の一力遼棋聖(24)に先勝した、囲碁の第77期本因坊戦7番勝負第2局が25日、埼玉県熊谷市「熊谷ラグビー場」で打たれた。同所で24日午前9時からの2日制で始まった対局は、25日午後7時34分、222手までで井山が白番(後手)中押し勝ち。これで井山の2勝となった。

両者は昨年6~8月の碁聖戦5番勝負から始まり、同年8~11月の名人戦7番勝負、今年1~3月の棋聖戦7番勝負と、すべて最終局までもつれる激闘を演じてきた。碁聖戦と名人戦は井山が防衛、棋聖戦は一力が初めて奪取した。今回の7番勝負は、合計26番勝負の頂上対決となる。

囲碁界で「大三冠」と呼ばれる棋聖・名人・本因坊の組み合わせが、すべて同じ保持者対挑戦者というのは初めてのケースという。

井山は前期、二十五世本因坊治勲(趙治勲九段名誉名人=65)の最長記録に並ぶ10連覇を達成。今期は11連覇の新記録を目指す。対する本因坊戦初登場の一力は棋聖に続き、本因坊獲得を狙う。第3局は6月1、2日、長野県高山村「藤井荘」で打たれる。