立憲民主党最高顧問の菅直人元首相(75)と立憲民主党の前副代表で今夏の参院選に同党の比例代表で出馬予定の辻元清美前衆院議員(62)が29日、日本維新の会の本拠地・大阪で街頭演説した。

夏の参院選大阪選挙区(改選数4)で立民候補を支援する特命担当に任命された菅氏はJR天満駅前でマイクを握ると、「前回の衆院選で辻元さんが負けたことにびっくりした。辻元さんが当選できなかったのは、いまの日本の象徴だと思う」と語り、敗因として「立憲民主党がもう少し頑張り、いまの維新のムチャクチャなことに対して、おかしいじゃないかと言い切れなかった」と反省した。

前回衆院選では維新は大阪の19小選挙区のうち、候補者を擁立した15小選挙区で全勝を果たした。菅氏は維新の大躍進に“メディア効果”を指摘し、持論を展開した。「維新というグループを徹底的に調べてみた。いまも橋下さんがテレビにしょっちゅう出ているじゃないですか。普通、政治家は政治家として出ることはあっても、評論家として出ることはないんです」。橋下氏は15年末に政治家を引退し、国政政党の日本維新の会を含めて政策助言や法律面での相談を請け負ってきたが、双方の合意で今年3月末で顧問契約を終了している。現在、弁護士活動のほか、コメンテーターとして民放番組などにレギュラー出演している。

菅氏は今年1月、維新や維新創設者の橋下氏に関連して「弁舌の巧みさではヒトラーを思い起こす」などと投稿し、“バトル”を展開した。維新批判の急先鋒(せんぽう)である菅氏が改めて、対決姿勢を鮮明にした。