日本維新の会の松井一郎代表(58)は9日夜、大阪・難波の高島屋前で、最後の演説を行い、大勢の聴衆を前に「我々に自民党と、真っ正面から戦えるだけの力を与えてください」と訴えた。

高島屋前のロータリーは、橋下徹元代表時代からの維新の“聖地”。もともと、警備の度合いは強めだけに、この日もいつも通りに警護員らが目を光らせた選挙カーの上から、マイクを握って声を発した。

国政進出10年、国政選挙は8回目。維新から大阪府知事、大阪市長を担い、今も維新代表の松井が大阪市長、吉村洋文副代表が大阪府知事を務める。報酬削減など大胆な改革で、財政改善に努めてきた。

「自民党は昭和の時代、前例踏襲でやりくりできた。でも、今の日本の人口構造は昭和の時代とは違う」

昨年、孫が生まれたことにふれ「1歳と少し。孫というのは、目に入れても痛くないと言いますが、やっぱり目を突かれたら痛い(笑い)」。合間に笑いをはさみながら、「僕は昭和39年生まれ、同級生は200万人いるが、孫は80万人しかいない」と、時代の違いを訴えた。

「いつまでも未来永劫(えいごう)、このニッポンで、大阪で、平和で安心できる国づくりをしないといけません。その設計図がこの大阪にある」と、全国展開をアピール。

「政府、自民党にこの意識を届けて変えさせる。そのためには、政治力を持たないと変えられない。ニッポンを持続可能な国につくりかえていく。大阪で進めてきたその改革を、ぜひ永田町に持ち込ませていただいて、自民党と、真っ正面から戦えるだけの力を与えてください」と声をあげ、18日間の選挙戦を終えた。