昨年の衆院選で落選し、参院比例選にくら替え出馬した立憲民主党の辻元清美前副代表(62)は、当選を確実にし、大阪府高槻市内の事務所で「(全国で)たくさんの『私の黙ってられへん』を聞いた。これからが本番」と語った。

開票間もない午後8時すぎ、地元・高槻市内の事務所のテレビに当選確実の文字が映った。吉報を受け「私は全国比例区の参議院選挙は新人。本当に厳しく、手探りだった。ホンマに当選できるのか、ぎりぎりまで緊張していた」と言い、安堵(あんど)した様子で語った。

決意表明の場で、辻元氏は「各都道府県を回り、たくさんの人たちの、『私の黙ってられへん』を聞いた。ずっしりと背中に背負って、国会の政治に立つ。これからが本番だと思います」と力を込めた。

「へこたれへん」をキャッチフレーズに公示前から全47都道府県の全国行脚を計画。新型コロナウイルスの影響で3県回れなかったが、それでも44都道府県の街頭活動でマイクを握った。全国的な知名度を生かし、早々と比例代表で国政復活を果たした。

「大阪がホームタウン。ただ、都市と地方の格差も広がっている。大阪のことももちろんやるが、全国的にいろんな問題をしっかり受け止めてトータルに解決していけるきっかけにしていきたい」

「ソーリ、ソーリ」とたたみかける追及で名をはせた辻元氏は、野党有数の論客で知られる。過去には銃弾に倒れた安倍晋三元首相とも論戦を繰り広げた。

それだけに、事件については「複雑な気持ち。議論を長年してきたお方。心からご冥福をお祈りする気持ちでいっぱいです」と沈痛な面持ちで話した。

辻元氏は、社民党から立候補した96年の衆院選以降、計7回当選。旧民主党政権で国土交通副大臣や首相補佐官、立民で副代表などを歴任した。