8日に奈良市内での参院選の街頭演説中に銃撃され、67歳で亡くなった、安倍晋三元首相の告別式が12日午後、東京都港区の増上寺で営まれた。

警察やSPが厳戒態勢を敷く中、安倍氏の棺を乗せた車は午後2時40分ごろ、増上寺を出発。助手席には安倍昭恵夫人が乗車しており、関係者や儀仗(ぎじょう)隊が見送った。近くの歩道には多くの人が集まり「安倍さんありがとう」との声が上がった。告別式には、岸田文雄首相の他、小池百合子都知事、細田博之衆議院議長、森喜朗元首相らが、出席していたとみられる。

増上寺に設けられた一般献花台には、朝から長蛇の列ができていた。約2時間並んだという埼玉県八潮市の50代の男性は「(安倍氏は)日本のために尽くしてくれた方。突然こんな形で亡くなってしまって非常に残念」と悲しんだ。杉並区の60代女性は「悔しくてならない」と声を詰まらせた。母親と献花に訪れた小学4年生の男子児童は「こんな重要な人が亡くなってしまって悲しい」。その上で、安倍氏の遺影について「笑顔でいい写真だった」と話した。

葬儀の後には、安倍氏の棺を乗せた車が、首相官邸や国会議事堂、自民党本部などを回る。後日、東京と地元山口でお別れ会を開く予定。