気象庁による鹿児島県の桜島の噴火警戒最高レベル「5」引き上げから一夜明けた25日、修学旅行のキャンセルが3件発生するなど、観光にも影響が及んでいることが分かった。

NPO法人桜島ミュージアムの福島大輔理事長(48)は「キャンセルは止められないんですけれど、島内の一部以外は通常通りなので、風評被害としか言えない部分がある。コロナによる行動制限がない夏休みに期待していたのに残念」。火口から半径3キロ以内の33世帯51人を対象に避難指示が出され、宿泊施設や湯之平展望所、有村溶岩展望所など一部の観光名所は閉鎖、休止中だが、フェリー運航など大半に影響はない。「生きている火山の桜島は噴火して噴煙が上がる様子を安全に見られることが魅力。それは今日も変わらない」と市内観光には大きな支障はないと強調した。

鹿児島市観光プロモーション課の川畑亮課長(51)も「一部物産展で物資が届かずに営業出来なかったが、市内の旅行会社やホテルにキャンセルはほとんどなかったと聞いています」と説明。現在のところ、人的・物的被害の報告はない状況だ。【鎌田直秀】