世界平和統一家庭連合(旧統一教会)の田中富広会長が10日、日本外国特派員協会で会見し、岸田文雄首相が内閣改造で、旧統一教会との関係の点検、見直しを厳命し、了解者のみを任命としたことについて、「当法人との関わり方が判断の基準に定められたならば至極残念なこと」などと話した。「報道に揺れる世論に対しての気遣いもまた介入していたと否定はできないと思うので、その点は遺憾」とも加えた。

15年の教団の名称変更については、文化庁から当初申請を拒否され、その後も対応が変わらなかったため、15年に申請した際には「訴訟もやむを得ない」との決意を意思表示。「適法に処理され」認証されたなどと説明した。教団は97年に変更を相談も、文化庁は「霊感商法などの正体隠しにつながる」として拒否したとされる。田中氏は、変更は世界で一斉に行ったもので、正体隠しの手段ではないと主張し、政治的介入や不正も否定した。

田中氏の会見は、安倍元首相襲撃事件後2度目。山上徹也容疑者の動機が教団への恨みとの報道を受けて「お騒がせしていることに深くおわび申し上げます」と謝罪。一連の報道によって、教会や信者などに脅迫やいじめなどの被害が出ているなどとも訴え、報道に対し「人権を傷つけ信教の自由を侵害している」「偏向報道がきっかけとなって信者に対して新たな被害が発生することを危惧する」などと批判を繰り返した。