日本維新の会の松井一郎代表の後継を決める代表選が14日告示され、足立康史国会議員団政調会長(56)、馬場伸幸共同代表(57)、梅村みずほ参院議員(43)の3氏が立候補を届け出た。知名度抜群の吉村洋文副代表(大阪府知事)は早々に不出馬を宣言。結党以来初となる代表選挙で、新たな「党の顔」に誰がなるのか。27日の臨時党大会で新代表を選出する。

3氏は14日午後、維新の聖地でもある大阪・なんばの高島屋前で街頭演説。「国会の爆弾男」の異名を持つ足立氏は「変えなければいけないところがあると思い、立候補した」と従来型の党運営の刷新を訴えた。

日本維新の会は12年の結党以来、約10年にわたり、橋下徹氏、松井氏の「創設者」2人が代表を務めてきが、足立氏は「維新の会を作ったのは橋下さん、松井さんという表現もあるが、維新を作ったのはみなさん」と聴衆に訴え、創始者との“決別”を宣言した。

自らの立ち位置を「8番キャッチャー」と野球に例える馬場氏は党の要職を務めてきた。松井氏から事実上の“後継指名”を受け、優位に戦いを進めるとみられる。街頭では党是の「身を切る改革」など維新スピリッツの継承を掲げた。

代表選は国会議員、地方議員、首長ら特別党員(約600人)と、一般党員(約2万人)にそれぞれ1票与えられる。自民党や立憲民主党のような国会議員票と党員票に格差はなく、「ガチンコ選挙」となる。

フリーアナウンサーなどを経て19年参院選大阪選挙区で初当選した梅村氏は、吉村氏が不出馬の理由として「野党第1党を目指す上で、新しいリーダーをつくりだしていく事も大切」との発言に「吉村さんはこのリング(代表選)には立っていない。なぜ? たった1人のカリスマの依存するのではなく、維新にはリーダー候補があまたいる」と声を張り上げ、「何があるのかが分からないのが維新」と“大波乱”を狙う。【松浦隆司】