英国のエリザベス女王は19日、ロンドン郊外のウィンザー城の敷地内にある礼拝堂に埋葬され、先に旅立った家族に囲まれて永遠の眠りについた。英BBCなどによると、ロンドンのウェストミンスター寺院で国葬を終えた女王のひつぎは、142人の海軍兵士が引く砲車の葬列から、途中で透明な霊きゅう車に乗せ替えられ、約3時間半かけて、週末をすごすなど事実上“自宅”だった同城に到着した。

城に向かう約4キロの並木道「ロング・ウオーク」では、騎馬隊や音楽隊などにともなわれた最後の葬列がゆっくりと進んだ。沿道には大勢の市民が詰めかけ、最後の別れを告げた。城では、乗馬や競馬を愛した女王が長年かわいがったポニーの「エマ」や、女王の愛犬コーギーの2匹「ミック」と「サンディー」も姿をみせて出迎え、お別れした。

午後4時すぎからは、聖ジョージ礼拝堂で、チャールズ国王ら王族、長年仕えた職員ら近しい人々約800人が参列し、埋葬の礼拝が営まれた。カンタベリー大主教が祈りをささげるなどした後、追悼行事の間ひつぎの上に置かれていた、王権の象徴である王冠、宝玉、しゃくが取り去られ、女王の治世の終わりを告げた。その後、ひつぎは礼拝堂地下の墓所、王室納棺堂にゆっくりと降ろされ、最後に女王専属のバグパイプ奏者が演奏した。この演奏は、女王が生前にリクエストしていたという。

午後7時半ごろには親族だけで礼拝が営まれ、女王のひつぎは、王室納棺堂から、聖ジョージ礼拝堂内にあるジョージ6世記念礼拝堂の納棺堂に移され、昨年亡くなった女王の夫フィリップ殿下とともに永遠の眠りについた。

英紙デイリー・メールなどによると、聖ジョージ礼拝堂地下には歴代君主10人、その配偶者らが眠っていて、大半は王室納棺堂に納められている。フィリップ殿下のひつぎも王室納棺堂に安置されていたが、今回、ジョージ6世記念礼拝堂に移された。

ジョージ6世記念礼拝堂は、王室納棺堂での眠りを望まなかった女王の父ジョージ6世のために、女王が69年に私費で増設した小さな礼拝堂で、父のひつぎ、母エリザベス皇太后のひつぎ、妹マーガレット王女の遺灰も安置されている。女王のひつぎはオーク材で、内張りは鉛。家族のひつぎの場所を示す上部の床には、金の文字で父母の名前とともに「ELIZABETH II 1926-2022」、「PHILIP 1921-2021」と刻印された黒い大理石の板が新たに設置された。

女王が8日に96歳で亡くなって以来、続いてきた一連の儀式、行事はこれで終了。王室は7日後まで喪に服す。

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