96歳で亡くなった英国のエリザベス女王の国葬が19日午前11時(日本時間同午後7時)から、ロンドンのウェストミンスター寺院で営まれた。チャールズ国王(73)ら王族のほか、天皇、皇后両陛下、バイデン米大統領夫妻など世界各国の首脳ら約2000人が参列。英メディアによると、沿道などでは、数十万人の市民が追悼した。警察当局が12年ロンドン五輪時を上回る1万人以上を動員するなどして厳戒態勢を敷く中、英君主として最長の約70年間にわたって国民に献身的に奉仕し、愛された女王に、世界がお別れを告げた。
ひつぎを乗せた車は20日午前0時にウィンザー城に到着。聖ジョージ礼拝堂で近親者による埋葬式が行われた。
エリザベス女王の国葬営まれる 2000人参列 沿道では数十万人追悼 世界中で数十億人が視聴
エリザベス女王のひつぎは礼拝堂に入り埋葬前の礼拝執り行われる 礼拝後は地下墓所に埋葬
21歳でフィリップ殿下と結婚、22歳でチャールズ王子出産 25歳で即位/エリザベス女王の主な歩み
日本時間午後2時 一般公開終了
◆ひつぎが安置されていた英議会議事堂のホールのドアが閉まり、一般公開が終了
日本時間午後6時44分 ひつぎがウェストミンスター寺院へ
◆議事堂ホールからウェストミンスター寺院へ、葬列が開始。ひつぎは海軍の砲車に乗せられ、兵士たちによって引かれる。その後をチャールズ国王はじめ王族らが歩く
日本時間午後7時 国葬
◆棺がウェストミンスター寺院に入る。カンタベリー大主教の説教、トラス新首相の聖書朗読など行われる。
日本時間午後8時 国葬終了
◆軍葬ラッパが吹かれ、全土で2分間の黙とうがささげられた後、葬儀が終了。葬列がウェリントン・アーチへ。棺が霊きゅう車に移され、女王が週末を過ごしたロンドン郊外のウィンザー城に運ばれる。王族も移動。
エリザベス女王の国葬が終了 軍葬ラッパが響き渡り英全土で2分間の黙とう、続いて国家斉唱
エリザベス女王の国葬執り行われ、ひつぎはチャールズ国王らとともにウェリントン・アーチへ
日本時間20日午前0時 ひつぎを乗せた車がウィンザー城に到着
◆ウィンザー城敷地内の聖ジョージ礼拝堂で埋葬式が行われ、王族や専属の職員ら近しい人々が参列した。
◆英王室 英国は立憲君主制で、国王(女王)が国家元首。現在は1917年に始まるウィンザー朝。世襲制で、男子優先だった王位継承法が2013年に改正され、男女平等の長子優先となった。エリザベス女王死去に伴うチャールズ国王即位後、継承順位の上位は<1>国王の長男ウィリアム皇太子<2>皇太子の長男ジョージ王子<3>皇太子の長女シャーロット王女<4>皇太子の次男ルイ王子<5>国王の次男ヘンリー王子の順。国王は議会の承認があれば退位が可能なほか、摂政を置くこともできる。
◆ウェストミンスター寺院 ロンドン中心部にある英国国教会の教会。10世紀半ばにベネディクト会の修道院として始まり、その後の増改築で大規模なゴシック式教会となった。1066年以降、歴代国王の戴冠式が行われている。1947年には戴冠前のエリザベス女王とフィリップ殿下の結婚式、97年にはダイアナ元皇太子妃の葬儀も行われた。歴代の国王や女王のほか、科学者ニュートンや文豪ディケンズら歴史上の偉人も埋葬され、世界遺産に登録されている。
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