将棋の最年少5冠、藤井聡太竜王(王位・叡王・王将・棋聖=20)が渡辺明棋王(名人=38)への挑戦権獲得を目指す、第48期棋王戦コナミグループ杯挑戦者決定トーナメント準々決勝が17日、大阪市の関西将棋会館で行われ、先手の藤井が豊島将之九段(32)を107手で下し、同棋戦初のベスト4に進出した。年度内の6冠へ前進した。

戦型は角換わり。昼食休憩までに65手と、速いペースで進んだ。豊島の厳しい攻めを手厚い受けで応じ、終盤にリードを広げ、鮮やかに寄せきった。

熱戦を制した藤井は「受けに回る展開が続き、悪い形をうまくほぐせるかどうか、難しいのかなと思っていた」と振り返った。

これまで棋王戦は過去5回の参加で予選敗退が2回と“鬼門”だった。デビューした17年は予選を突破したものの、挑戦者決定トーナメントで敗退。19、20年は予選落ちした。今回はタイトル保持者のため予選シードから登場し、中川八段、久保九段に勝ち、初のベスト8に進出していた。

5冠を保持する藤井は本年度、叡王、棋聖、王位と防衛を果たし、広瀬章人八段の挑戦を受ける、第35期竜王戦7番勝負では2連覇を目指す。

ベスト4は連敗の少ない藤井にとって有利とも言える「権利」を得た。棋王戦は「ベスト4以上は2敗失格システム」を採用し、敗者復活戦がある。準決勝では名人3期の実績を持つ佐藤天彦九段と対戦する。「ベスト4は初めてなので、次局も集中して指したい」。年度内の最年少6冠へ大きく前進した。【松浦隆司】