NHK党のガーシー(東谷義和氏)参院議員(比例代表)が12日、インターネットの動画投稿サイトで著名人を中傷したなどして名誉毀損(きそん)や威力業務妨害などの疑いで、複数の関係先が警視庁に家宅捜索を受けていたことが明らかになった。

警視庁は11日、ガーシー氏が動画投稿で得た広告収入を管理する合同会社(東京・新宿区)の現代表と前代表の自宅など数カ所を捜索した。昨年、交流があった複数の著名人がガーシー氏を告訴し、受理した警視庁は昨年12月24日、ガーシー氏に弁護士を通じて任意の事情聴取を要請した。ガーシー氏も滞在先のアラブ首長国連邦(UAE)のドバイから今月か、2月にも帰国して事情聴取に応じる意向を示していたが、事態は急転した。

これを受け、同党の立花孝志党首は12日夜に国会内で記者会見し、「(家宅捜索は)想定はしていた。ガーシーと先ほど話しましたが、そんなに驚いてなかった」とした。その上でガーシー氏が「戻る方向で進めてます」と帰国の意思を固めたことを明らかにした。この日、ガーシー氏の弁護士と秘書が警視庁に出向いて「3月上旬には戻る」と報告したという。

ガーシー氏は昨年7月の当選前からドバイに滞在し、1度も登院していない。帰国すれば23日に召集予定の通常国会で初登院となる可能性は高い。参院でNHKの次年度予算の審議入りするのが例年3月下旬。立花氏は「総務委員であるガーシーがNHK会長に対して質問していく。令和5年度のNHK予算を承認させず、否認する。NHKをぶっ壊す国会質問に立ってもらいたい」と党是の実現に大きな期待を寄せた。

立花氏は憲法51条(両議院の議員は議院で行った演説、討論または表決について、院外で責任を問われない)の免責特権によって国会での発言は「民事にも刑事にも問われない」とし、「これまでユーチューブで行っていた暴露を国会で行っていく。まさにモンスターな国会議員を生み出してしまった」と、前代未聞となる「ガーシー砲」の国会さく裂を予告した。【大上悟】