将棋のアマチュア強豪の小山怜央アマ(29)が合格まであと1勝としているプロ棋士編入試験5番勝負の第4局、横山友紀四段(23)戦が13日、大阪市の関西将棋会館で始まった。岩手県釜石市出身の小山アマは、第3局を終えて2勝1敗。勝てば、棋士養成機関「奨励会」を経ない初のプロ棋士となり、岩手県初のプロ棋士が誕生する。

先手後手は事前に決まっており、先手の小山アマは2六歩と飛車先の歩を突いた。横山は3四歩と角道を開けた。戦型は横山が得意とする四間飛車になった。

小山アマは岩手県立大在学中の14年に学生名人、翌年アマ名人に輝いた。卒業後、強豪のリコー将棋部にも在籍したことがある。現在は横浜市で将棋インストラクターを務める。昨年9月13日のプロ公式戦に勝利し、直近の成績が規定の10勝5敗となり、受験資格を獲得した。

昨年、プロ編入試験には女流棋士の里見香奈女流5冠(30)が挑戦したが、3連敗で不合格となった。現行制度での合格者は15年の今泉健司五段(49)、20年の折田翔吾五段(33)がいる。3人目の合格者となるか。夢をかなえる大一番だ。

持ち時間は各3時間。昼食休憩を挟んで、13日夕方には決着の見込み。