東京・銀座の高級時計店で仮面姿の男たちが多数の時計を奪った強盗事件から一夜明けた9日、被害に遭った時計店はカーテンを下ろし店を閉じていた。入り口から、たたき割られたままのショーケースが見え、店内をのぞく通行人もいた。

仮面を着けた男らが乗って逃げたとみられる白いワンボックスカーは、時計店から西に約3キロ離れた港区・赤坂の狭い道路に乗り捨てられていた。なぜ、車は赤坂に止められていたのか。周辺は住宅で囲まれ、通り抜けができない行き止まりで、現場の近くに住む70代男性によると、白い車は道路に対して斜めに止められていたという。

男性によると、この道路には、通り抜けられると間違えて入ってくる人もたまにいるという。男性は「(男らは)車を切り返して引き返そうとしたけど、できなかったんだと思う」と話し、「通り抜けて、もっと遠くに逃げようとしていたんじゃないか」と話した。【沢田直人】