事件から一夜明けた26日の現場周辺は青木政憲容疑者(31)の自宅を中心に約300メートル四方の警察の規制線が張られ、住民以外の立ち入りができない状態が続いた。警察官が発砲されたとみられるパトカーはブルーシートをグルグル巻きにされ、屋根に設置された赤色灯の一部が見えていた。

規制線からわずかに外側にある会社では、帰宅準備をしていた女性2人が前日夜、社内で聞いた発砲音を振り返り「外に出るのが恐ろしくなって、そのまま家に帰れなくなって、営業所(会社)に鍵をかけて泊まりました。ほとんど眠れなかった」と語った。

青木容疑者の自宅横のグリーンアスパラ畑で作業をしていた男性(80)は「どうしてこんなことが起こっちゃったんだろうね」と首をかしげて「政憲くんも小学生のころはハキハキと明るく話す元気な子だったんだよ。でも、最近は姿も見なかったし、ちょっと家から出ない感じだったのかなぁ」とため息をついた。

地元の市立小学校を卒業した青木容疑者は、そのまま地元の市立中学に入った。現在は自分の名前のついた「マサノリ園」というブドウとリンゴの果樹園の園長だったというが「ほとんど母親が管理していたという感じだったね」と別の農作業をしていた男性は話した。【寺沢卓】