中古車販売大手ビッグモーター(東京)による自動車保険の保険金不正請求問題をめぐり、昨年6月の損保会社に対する調査報告書の中で、当初、工場長からの不正指示が「あった」と書かれた証言の部分が「なかった」と書き換えられていた疑いがあることが26日、分かった。

和泉伸二新社長はこの日、国交省でのヒアリング後の取材で、この点を指摘され「(問い合わせを受けて)私も初めて知った。そこに関してはこれから調査をする」と、調査に踏み切る考えを表明した。「隠蔽(いんぺい)があれば、さかのぼって厳正に対処しないといけない」と述べた。

「驚いている。その段階できちんと対応していれば、ここまでの不正にはなっていなかったかもしれない。私としては非常に遺憾だ。調査をしたい」とも話した。内容の書き換えとなれば、上層部の指示がないとできないのではないかと指摘されると「その可能性は高いと思います」と、述べた。

調査報告書の内容や保険会社への説明内容などについては「知らなかった」「どういう報告をしたのか調査していく」と述べるにとどめた。当時の責任者の動向についても「確認する」と繰り返した。報告書を出す時、役員間の共有はなかったのかとの問いにも「昨日申し上げた通り(社内では)役員会議も行っていなかった。その段階で私自身は、第1次報告書は拝見しておりません」と述べた。