囲碁の最年少プロで、大阪の小学4年生の藤田怜央初段(10)が5日、大阪市内のホテルで行われた関西棋院の新理事長に就任した華道家元池坊総務所事務総長の池坊雅史氏(62)の披露パーティーで公開対局に臨んだ。

藤田の師匠・星川拓海五段によると、「これほど多くの人の前で公開対局するのは初めて」といい、関西棋院所属の佐田篤史七段(27)と対戦した。大盤解説の聞き手を務めた落語家桂南光は対局前に藤田から「南光さん、応援してください」とメッセージカードを贈られた。

対局は時間切れによる引き分けになったが、中盤での激しい攻め合いに南光は「すごいな、怜央くん」と驚き、トップ棋士の佐田を追い詰めた10歳に「将来が恐ろしく楽しみ」と期待した。

対局後、藤田は「強かった」と振り返った。佐田は「序盤から怜央もすごく出来がよかったので、途中から真剣勝負そのものだった。最後まで打ちたかった」と話した。

プロになってから初めての夏休み。学校の夏休みの宿題はまだ残っているが、8月中旬には京都で囲碁の夏合宿がある。師匠の星川は「大きな舞台を経験することで度胸がつく。プロの先生にたくさん打ってもらうことで成長している」と喜んだ。

パーティーには池坊新理事長の妻で華道家元池坊の次期家元、池坊専好(せんこう)氏も出席した。池坊新理事は「囲碁は激烈な勝負の世界ですが、一方でやや将棋と違い、それぞれの価値観や世界観が繰り広げられている。雄大で、絵にも近い芸術性、美の追究を感じる。華道もそうです」と魅力を語り、「どんな世界も人材育成です。人材は横と縦がある。縦は大先輩が未来の世代へ、横は日本だけではなく世界へ。微力ですが、みなさんとやっていきたい」と意気込んだ。