プロ野球阪神タイガースの優勝マジックが5となり、18年ぶりの「アレ」が目前に迫った10日、大阪の街がカウントダウンに入った。
大阪・道頓堀の派手な立体看板は、その時を待ちながら臨戦態勢に突入。大阪・道頓堀の名物看板人形「くいだおれ太郎」は「わて、喜びをかみしめますねん」と店頭に立ち、チンチン、ドンドンとにぎやかに太鼓を鳴らしている。
03年、星野阪神の優勝時には約5300人が道頓堀川に飛び込んだが、実は太郎にも「あわや…」の巻き添え危機があった。92年に阪神が優勝争いを繰り広げた際、当時のメガネをかけた亀山努外野手に似ていたことから、ファンに道頓堀川に投げ込まれるといううわさが流れた。だが、この時は「わて泳げまへんねん」のふきだしで何とか難を逃れた。
通常、太郎の勤務時間は午後10時までだが、「くいだおれ」の柿木央久専務(56)は「今回は状況に応じて、30分ぐらい“早退”するかも」と話している。
道頓堀はユニークな看板の聖地でもある。1950年にくいだおれ太郎、62年に戎橋南側の「かに道楽」道頓堀本店の動く巨大カニ、66年ごろにはフグ料理店「づぼらや」の立体看板「ふぐちょうちん」が登場。92年ごろからは、ラーメン店の龍、たこ焼き屋のタコなど次々と現れた。
看板たちとアレとの関わりも深い。85年には巨大カニにファン数人がよじ登ったため、足1本が“骨折”し“全治3日”でドック入り。03年にはカニの両目玉が“強奪”された。同店関係者は、今年のアレ決定と同時に「すぐに店を閉店します」と明言。05年にはカニを守るため警備を強化したが「今回は刺激してもいけないので通常通り。だれも登らないことを祈るばかりです」とした。
この18年で太郎の職場も代わった。仲間だった「ふぐちょうちん」は新型コロナウイルスの影響もあり、店が閉店し、撤去された。「わて、喜びをかみしめますねん」-。歓喜のアレはもうすぐだ。【松浦隆司】

