宇宙航空研究開発機構(JAXA)は、衛星投入失敗によって中断していた主力ロケット「H3」の打ち上げを10日に再開する。鹿児島県の種子島宇宙センターから打ち上げられる今回の6号機は、主エンジンのみで飛行する「3-0形態」という新しいタイプの試験機。衛星を載せる台座の不具合が原因だったとされる、昨年12月の8号機失敗の検証という意味合いも兼ねる。
H3は、自国での宇宙への輸送手段確保や、低コスト化による国際競争力の獲得などを目指して開発された。2023年3月から昨年12月までに7機が打ち上げられたが、1、8号機が失敗。6号機は昨年7月のエンジン燃焼試験で不具合が見つかり、打ち上げが延期され、今年3月に再び燃焼試験をしていた。
3-0は、液体燃料を使う主エンジン3基、固体燃料の補助ロケット0本を意味する。1~5、8号機は主エンジン2基、補助ロケット2本の標準的な2-2形態、7号機は補助ロケットを4本にしたパワフルな2-4形態だった。6号機が成功すれば、H3のラインアップが出そろうことになる。
3-0形態は、推力が小さいが、3形態の中では最も安価に打ち上げられる。液体燃料エンジンのみのロケット打ち上げは国内初となる。
政府の地球観測衛星といった、軽量で投入高度が低い衛星に使われていくとみられる。ただエンジン点火後、推力が安定するまで「ホールドダウンシステム」という特殊な装置で発射台に固定する必要がある。
また軽いため、他の形態とは飛び方が異なる。最初はゆっくり上昇、最後は非常に高速になるという。ロケットの加速によって搭載している人工衛星にかかる負荷を減らすため、エンジン出力を絞る時間を他の形態より長くする。
6号機は、8号機失敗の原因とみられる衛星台座に改良を加えた。今回の打ち上げで不具合を防げるかどうか確かめる。高性能カメラを備えた東京科学大の「うみつばめ」や、スペースデブリ(宇宙ごみ)捕獲の技術実証をする静岡大の「しらいと」など超小型衛星6機が載る。(共同)

