自民党は11日、安倍派など党派閥の政治資金パーティー裏金事件の再発防止策や派閥のあり方などを協議するための「政治刷新本部」の初会合を党本部で開いた。本部長を務める岸田文雄首相(党総裁)や執行部やベテランから中堅、若手まで計38人が出席し、約1時間、議論をかわした。

会合では、菅義偉前首相や小泉進次郎元環境相ら無派閥の議員を中心に、現在の形での派閥の解消を求める声が相次いだが、そもそも、最高顧問の麻生太郎副総裁や茂木敏充幹事長、森山裕総務会長という派閥トップが3人含まれているほか、問題となった安倍派の議員も10人が選ばれており、「派閥解消」や裏金問題で効果的な結論が導き出せるのか、早くも疑問の声が出ている。

また、2014年に自身の政治団体の不明朗な政治資金支出問題が表面化した小渕優子選対委員長が、森山氏や渡海紀三朗政調会長ら執行部メンバーとともに、5人いる本部長代理の1人に選ばれたことにも、関心が集まっている。

小渕氏の当時の問題をめぐっては、帳簿データなどが入った事務所パソコンのハードディスク(HD)が電気ドリルで破壊されたのが発見されたことから、ネット上では「ドリル優子」などと指摘された。

2015年10月の第三者委員会の発表では、もともと調子が悪かったHDを新品に交換した際、処分を依頼した業者がドリルで穴を開けたと説明されているが、「ドリル」というフレーズは今も小渕氏につきまとっている。

SNSでは「ドリルの使い方でも指南するのか」「汚職の証拠をドリルで破壊した人が汚職防止とか言われても」「刷新委員会にドリル小渕優子が入っているのはギャグか?」など、小渕氏の人選に対し、厳しいコメントも寄せられている。