高知に春の訪れを告げる伝統祭り「土佐のおきゃく2024」が2日、高知市内で開幕した。

街全体を大きな宴会場に仕立てて郷土料理や地酒などを楽しむ春の風物詩。10日までの9日間、高知市の中心部などで開催される。

この日はメイン会場の高知市中央公園でオープニングセレモニーが行われ、高知県の浜田省司知事らが出席。おきゃく大使を務める植野広生氏(dancyu編集部長)が、「『おきゃく』は、高知の日常にある素晴らしい文化。こうしておきゃくが楽しめるようになると、日常が戻ってきたなと感じます」とあいさつし、来場者とともに“一斉乾杯”で開幕を祝った。

高知の「おきゃく」とは、親族や仲間の祝いごと、地域の集まりなどで催される宴会のこと。前菜から主菜、締めの一品まで大皿に盛り付ける「皿鉢(さわち)」料理や地酒を囲む。知り合いも、初めて顔を合わせる人も自由に飲み食いしながら語り合い、家族のように絆を深める高知の文化として、江戸時代から育まれてきた。

2006年から毎年開催されているこのイベントでも、地元の人々の輪に観光客らも参加。老若男女の隔てなくにぎやかな宴会が街のあちらこちらで繰り広げられてきた。

コロナ禍に見舞われた近年は規模を縮小して開催してきたが、今年は19年以来、5年ぶりの「完全開催」。各市町村の名産を使った丼などを味わえるグルメ屋台村が設けられ、昨年の土佐丼グランプリでトップ3に選ばれた「大月力豚はらみ丼」(大月町)「漁師めし」(中土佐町)「生姜(しょうが)真鯛丼」(宿毛市)が登場する。路面電車を貸し切って宴会場にする「おきゃく電車」や高知伝統のお座敷遊び体験、よさこい踊りや音楽ライブなど、各会場で連日、さまざまな催し物が行われる。中でも、商店街のアーケードにずらりと並んだ炬燵(こたつ)で一斉に宴会をする「大おきゃく」(9、10日開催)は、まさに高知らしい“宴会の絶景”だ。

コロナ禍前の2019年には7万3892人が来場し、経済波及効果8億4751万円(株式会社四銀地域経済研究所調べ)を記録した「土佐のおきゃく」。5年ぶりの完全開催で、人々と地域経済にも春らんまんの活気があふれそうだ。