藤井聡太竜王(名人、王位、棋王、王将、棋聖=23)が佐々木勇気八段(31)の挑戦を受ける、将棋の第38期竜王戦7番勝負第3局が10月31日、1日の両日、京都市の世界遺産「総本山仁和寺」で行われ、先手の藤井が佐々木を下し、シリーズ対戦成績を3勝0敗とし、5連覇と史上3人目の永世竜王資格の獲得にあと1勝に迫った。

「ひふみんEYE」でおなじみ、加藤一二三・九段(85)が対局を振り返ります。

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藤井竜王の戦いぶりが巧妙でした。最終的には受けつぶして佐々木八段の攻めを切らしているのですが、対四間飛車のお手本のような指し回しでした。とても10月28日に王座を失ったというショックは感じられません。むしろ、気分を一新して、盤上に集中している気がしました。

佐々木八段の陣形には決して不備があったわけではありません。よく攻略しました。その象徴が、中盤で5筋に角を成り捨てた手。強手で踏み込んで敵陣を突破しました。これで指しやすいと思ったことでしょう。穴熊に組んでじっくり構えていながら、突破口はしっかり見極めています。あの切り札を用意しているところが、すごみです。

佐々木八段は開幕局から順に横歩取り、角換わり早繰り銀、今回の四間飛車と趣向を凝らしていますが、藤井竜王の対応力がここまでは上回っている気がします。昨年7番勝負で2敗した相手に今回は3連勝。シリーズの流れが大きく傾きました。竜王戦5連覇と「永世竜王」獲得へ、大いに期待が高まります。(加藤一二三・九段)

【竜王戦】藤井聡太竜王 ストレートで5連覇に王手 ”失冠ショック”なく快勝