東京都の小池百合子知事は5日の定例会見で、東京23区の大学定員規制や、税収偏在是正など、“東京一極集中”に対応する国の対策について、あらためて苦言を呈した。
小池知事は会見最初のトピックとして大学の定員規制をピックアップ。「そもそも皆さん、東京23区の大学で、国の規制によって、学部学科の新設、それから定員増が制限されている、ということはご存じでしょうか?」と問い掛けるように切り出し、「この規制なんですが、進学によって若者の東京流入を抑制すべき、という主張によって、平成30年(2018年)から始まった」と経緯とともに、10年間の時限的措置と説明した。
2028年に期限を迎えるため、国の有識者会議などで今後の制度のあり方について議論が開始されたことで、今回議題として取り上げられた。小池知事は「なぜ、23区の大学定員の抑制が地方の活力向上につながるのでしょうか。全く根拠がございません。極めて不合理な制度と言わざるを得ない」と規制継続に強く反発。23区内の大学が、この規制によってITやデジタルなど成長分野の新学部設置を断念した実例もあげ、若者から「進学先や将来の選択肢が狭まる」との懸念の声があるとも指摘しながら、国際競争を勝ち抜く人材育成のためにも、規制撤廃が必要と訴えた。
会見後半の質疑応答では記者から、国が自治体間の格差是正のためとして東京都の税収の一部を国税化していることと、大学定員の規制に共通する課題や意識を問う質問も出た。小池知事は、大学規制の年数を念頭に「10年ひと昔と言いますが、この間にさまざまな変化が現れている。地方の役割も大きな変化がある」と指摘。「地方(交付税)交付金のような、頑張ったところがかえって報われないというような方法、東京から何か獲っていけば解決するんだという“宗教”と言ってもいいかと思いますけど」と苦笑しながら、国の対策を厳しい言葉でバッサリ切り捨てた。
その上で、「そろそろ現実を見た方がいいじゃないでしょうか。日本が牌を切り分ける姿にはとても悲しい思いがする」などと提言。「もう少しグローバルな視点で何が必要か考えるのが、国の仕事ではないだろうか」と断じた。

