長期化する中東情勢をめぐり、現在の日本政府のイランとの外交関係を、これまでの両国の歴史を踏まえた友好的な現実路線に変えて交渉をすべきと訴える有識者らが8日、国会内で記者会見を開いた。

代表的呼び掛け人の1人である鳩山由紀夫元首相(79)は、5月11日にイラン大使館を訪れ大使と面会したとして、「敵国に対してはイラン側は渡航を制限する権利を持つが、敵国以外はそうではなく条件さえ整えばと。条件は何かというと、政府としてのきちんとした対応があればということだった」と述べた。「日本政府がしっかり対応すれば、もっと多くの船が通過できたはずだが、なかなかそうなっていないということは、日本政府が必ずしも十分な活動をしていないのではないかと思わざるを得ない」とも述べ、現在の政府の対応に苦言を呈した。

鳩山氏は、首相退任後の2012年4月に議員外交の一環でテヘランを訪れた経験があり、アフマディネジャド大統領と面会しイランの核開発問題で意見交換したことを振り返った。また、今回の米国とイスラエルの攻撃で殺害された前の最高指導者ハメネイ師は、「(生前)イスラム教の教義において、決して核兵器を持ってはならないという話があった」と指摘。「そのハメネイ師を暗殺したことが、イスラエル、アメリカにとって致命的な間違いではなかったのかと思っている」とも、口にした。

鳩山氏らは、5月に「生活と平和のための提言」を発起人一同で公表し、同時に署名活動を開始、この日まで4万329人の署名が集まったとし、今後政府側に署名を提出する予定という。

鳩山氏は「さまざまな物価がどんどん上がり、国民のみなさんが大変ご苦労されている。特にナフサのようなものが足りなくなってきている中で、早くホルムズ海峡を多くの日本の船が通れるような環境ををつくってもらいたい。そのためには政府がもっともっと努力をしないといけないのではないか」と主張。「それが極めて足りていないのではないかということを申し合わせて、活動を続けていきたい」と語った。

出席者によると、面会した駐日イラン大使は、5月下旬に日本に到着した「出光丸」が4月にホルムズ海峡を通過できたのは、日本政府の要請によるものではなく、これまでの日本との友好関係を踏まえてイラン政府が判断したとの説明を受けたとしている。