高市早苗首相は9日の参院代表質問で、今年2月の衆院選で首長が自身を支援しなかった地元2自治体に対する道路予算の「大幅カット」に言及した簗和生農相について、「もとより大臣の任命責任は私にある」とした上で、「しかしながら、政治家の言動はまず、本人が適切に説明することが重要。しっかりと説明していただきたいと思っております」と述べ、簗氏に説明責任をさらに果たすよう強く求めた形となった。
国民民主党の舟山康江議員の質問への答弁。
舟山氏は、簗氏の発言に関して「選挙期間中は、政権与党の議席がなくなった地域の予算はごっそり削られる、選挙後には、無所属議員を応援するなら私が取ってきた予算をなぜ受注するんだ、道路予算を大幅カットした、そういう行動を取るといろんなところに支障が出るなどの、支持、不支持と予算や公共工事の利益、不利益を結びつけた発言が確認されている」と指摘。「発言は撤回したが、問題は実際に予算が削減されたかだけではない」とした上で、簗氏の言動を「権力の乱用と受け取られかねない重大な問題」と述べた。
その上で、一般論として「選挙に関して支持、不支持を理由に特殊の利害関係を利用し、不利益を示唆し威迫する行為は、(選挙の自由妨害罪を定めた)公職選挙法第225条第3項の対象となり得るのか」と問い、今回の問題が仮に刑事告発に至った場合に想定されるケースにも触れながら、高市首相に対して、「農政の空転を回避するためにも問題の重大性を認識し、早急に、本人および関係省庁に事実確認を指示し結果を明らかにすべきではないか。違法性が具体化した場合、罷免(ひめん)を含めてどう対応するのか」と、問うた。
これに対し、高市首相は刑事責任をめぐる指摘に関しては、「個別具体の事実関係に基づき捜査などで判断されるべきもの。現時点において、今回の簗大臣の言動を犯罪と仮定して見解を申し上げることは差し控える」と述べるにとどめた。藤井比早之総務相も「個別の行為が、特殊の利害関係を利用した威迫に当たるかなど、公選法の規定に該当するか否かについては、個別の事実に則して判断されるべきものと考える」とだけ述べた。

