★11月が世界にも日本にも外交の大きなヤマ場を迎える可能性が高くなった。アジア太平洋経済協力(APEC)は11月18・19日に広東省深セン(シェンチェン)市で行われる。議長国は中国。そこで持ち上がったのが中国の習近平国家主席、米国のドナルド・トランプ大統領とロシアのウラジーミル・プーチン大統領の3者首脳会談。先月クレムリンのユーリ・ウシャコフ大統領補佐官(外交政策担当)がプーチンのAPEC出席を発表するとともに「米大統領も出席するなら、開催国の習主席が3者会談を開催するための措置を取る可能性が高い」と言い出したからだ。

★ところが9月下旬から世界のメディアが習の健康不安説を報じ始めた。同月12・13日にインドのニューデリーで開かれた第18回BRICS首脳会議。習が各国首脳らとの夕食会を急きょ欠席し帰国したことが話題になった。当時ネットでは「習主席がBRICS首脳会議中に失神し、脳梗塞とみられる緊急治療のため中国に空路搬送された」「インドの病院に入ることを中国側が拒否して帰国した」などの憶測が流れた。しかし同月23~25日には米国に国賓として11年ぶりに訪問。健在を示したが、その間、姿を現さず動静が不明に。空白の10日間が話題になった。今月3日、この問題を長期的に追っているウォール・ストリート・ジャーナルが先の米中首脳会談の際、中国サイドが<1>ホワイトハウスのウェストウイングに習が休憩できる個室を用意<2>24日に予定されていた両首脳のワーキングランチを先発隊が早々にキャンセル<3>到着当日の夕方には予定がなく、首脳会談の日程にも休憩のため5時間の空白<4>訪問最終日の25日には国立公文書館に約10分間の滞在などを要求し、それが健康不安を裏付けると指摘している。

★27年秋の党大会で4期目をうかがう習にとっても健康不安は心配だが、不測の事態に陥る時、首相・高市早苗はこじれた日中関係をどう対処するのか。11月のAPECで日中首脳会談を実現させておかなければ混乱はさらに広がるだろう。(K)※敬称略