★自民党古参秘書が言う。「私が知っている自民党でどんどんなくなっていくのがつらい。自民党は保守系政党だが保守にも濃淡があった。それは復古的な右派と合議派の左派ともいえた。55年体制では一番右派は民社党で次に自民党という位置づけだった。もっともその時代は福田内閣以外は田中派の木曜クラブと大平派の宏池会の穏健保守が政権を担っていた。中曽根内閣の時代も田中派の流れをくむ経世会と宏池会が自民党の中軸にあった。大きな変化は小泉内閣や第2次安倍内閣からで、党内は安倍一強時代に入り安倍派の清和会が文科相や党三役を担い党の体質が変わった。いわば幅広い党内へ遠慮しなくなった」。

★「それでも党内議論では厳しい声が党内に響き渡った。いうべきことは言うという議員も多かった。それまでは党内融和があったし、考えは違っても党と党総裁を守る気風があった。小泉郵政解散で『反対するものは公認しない』となり、自民党の美徳のひとつが壊れた。私見だが今では自民党の良さはなくなったのではないか。農相・簗和夫の発言を許す文化は自民党にはなかった。来年に統一地方選挙を控え、地方議会からも党内からも政治とカネと同じくらいの怒りが渦巻き、更迭は当然だった。今では首相・高市早苗が守るとなれば黙ってしまう。私から見れば自民党は保守ではなく偽の右翼のようになってしまった。それが寂しい」。

★自民党参院議員(3期18年)、外務・環境政務次官、参院農水委員長などを歴任、新進党、自由連合などでも活動した御年90歳の石井一二が国会の議員会館を訪ね歩いている。目的は「愛天の会」に賛同し「愛子様(敬宮内親王)を皇太子・天皇に」とする法改正運動や働きかけをしている。自民党でなくとも、昔は保守といえばこういった運動や活動をする人が多かったし、自民党はその賛同者だった。古参秘書の言葉を借りれば「自民党が変わったのか落ちぶれたのか」。(K)※敬称略