伊藤匠王座(叡王=23)に広瀬章人九段(39)が挑戦している、将棋の第74期王座戦5番勝負第5局が27日、甲府市「常磐ホテル」で行われた。対局は、王座戦初登場の先手広瀬が終盤抜け出し、121手で着実に寄せ切った。対戦成績3勝2敗で王座を奪取した。広瀬のタイトル獲得は2018年の竜王以来、8年ぶりとなる。ここまでタイトル戦5番勝負の最終局で4戦4勝の「ミスター・フルセット」、伊藤の初防衛はならなかった。

広瀬はタイトル戦初登場となった2010年(平22)の第51期王位戦で初のタイトルを獲得。18年にはタイトル通咲く100期獲得を目指した羽生善治竜王から竜王を奪取して、羽生を27年ぶりの無冠に追いやっている。19年に王将戦への挑戦権を獲得とした際には、初のタイトル戦登場を目指して4勝1敗で並んでいた藤井聡太七段(当時)との直接対決を最終一斉対局で振り切った。結果的に、藤井の初タイトル獲得という「出世」を1年遅らせている。

今回はその藤井からタイトルを2つ連続して獲得した男から、タイトルを奪った。

「近年はあんまりタイトルを争うような立ち位置ではなかった。王座戦に星が集まっていた。結果を残せて良かったかなと思います」と喜びをかみしめていた。