今週末は東京、中京の2場開催のため、土曜東京、日曜中京で障害競走が組まれている。熱い人馬一体の走りに注目だ。

今年ここまでのリーディングジョッキーは8勝を挙げている石神深一騎手(39)。関東を代表する名手は、中山グランドジャンプを絶対王者オジュウチョウサンで制し、先月は京都ハイジャンプ(中京開催)を関西馬タガノエスプレッソで制した。後者とは初コンビだったが、道中で大逃げの形に持ち込み、最後は後続を引き付けてから再び突き放す圧巻の手綱さばきを見せた。

「せっかく関西の厩舎から有力馬の騎乗オファーをいただいたので、絶対に結果を出したかったし、2着以下は最下位でも一緒という気持ちで乗りました。気をつけたのは序盤で絡まれないようにすることだけ。大逃げの形になったのは馬が強かったからですね。飛越のスピードが他馬とは違いました」。会心の騎乗を涼しい顔で振り返った。

京都ハイジャンプの翌日(5月15日)は新潟で騎乗。5Rの6番人気ハーツシンフォニーを見事に勝利へ導いたが、レース後の口取り写真撮影後に左の太ももを馬に蹴られるアクシデントがあった。白いジョッキーパンツが血で赤く染まり、ウイナーズサークルから救護室まで担架で運ばれたという。「骨が折れていなくて良かったです。松葉づえを借りて、新幹線に乗って帰りました。幸い、傷口も細菌が入らずにきれいだったので、すぐに復帰できました」。1週間は騎乗を控えたが、先週から戦列に復帰している。

今週末は土曜東京1R(未勝利)でプロース(牡6、菊川)、日曜中京1Rでメイショウジザイ(牡6、和田勇)に騎乗する。「プロースは平地で2勝クラスを走っていた脚力がありますし、センスもあると思います。気難しいところはありますが、チークピーシズを着ける予定です。前日にスクーリングもする予定で、それが生きてくれば。メイショウジザイは能力がある馬。休み明けだった(2走前の)小倉は太かったし、息づかいももうひとつでした。期待していたんですが、1頭除外で予定が合わなくなってしまい、前走(2着)は乗ることができませんでした。今は馬もピリッとしていて、重苦しさもないです。今年はここまで重賞は勝たせてもらっていますけど、オープンを勝たせてもらってないですからね。今後のプランを組めるようにここを勝って賞金を加算したいです」。

石神騎手は障害競走の勝利数が98勝で、大台まであと2勝。自身は16、17年に2年連続でリーディングを獲得したが、18年は五十嵐騎手、19~21年は森一騎手が3年連続でリーディングに輝いている。「15勝、16勝くらい勝てればリーディングが見えてくる」。5年ぶりのリーディング獲得へ気合が入る。

先週は障害専門の免許を持つルーキーの小牧加騎手が1日2勝を挙げるなどホットな話題もある。土曜東京1Rと日曜中京1R、今週末も障害競走に挑む人馬を応援したい。