女性騎手の活躍は日本ばかりではありません。

7月28日に英国のグッドウッド競馬場で行われた牝馬限定のG1ナッソーS(芝1980メートル)は、H・ドイル騎手が騎乗したナシュワ(牝3、父フランケル)が優勝。仏オークスに続くG1連勝で、欧州3歳牝馬の最前線に躍り出ました。

19年にそれまでの英国女性騎手の最多勝レコードを破るシーズン116勝を挙げて一躍、頭角を現したドイル騎手は20年10月に初のG1(英チャンピオンズスプリントS)タイトルを獲得。ナッソーSで4度目のG1制覇となりました。

ドイル騎手の手綱さばきを高く評価するJ・ゴスデン師によって、デビューから手綱を任されているナシュワとは息もぴったりで、まさに「お手馬手綱いらず」。

8頭立ての1番人気で出走したナッソーSでは最後方からレースを進めて残り300メートルでスパート。先月12日に変更された英国のむちの使用ルール(平地競走では7回以内、11回を超える使用で騎乗馬失格)をしっかりと守りながら、悠々とゴールを駆け抜けました。

7月末現在で英国での勝ち鞍は117で、並み居る男性騎手をおさえて22年の最多。話題に事欠きません。

一方、フランスを代表する女性ジョッキー、M・ミシェル騎手は今年5月にフランスから米国ケンタッキーに拠点を移し、米国騎手として騎乗を続けています。しかし新参者には垣根の高い米国では、まだ居場所が見つかっていない様子。7月17日にはケンタッキー郊外のエリスパーク競馬場で渡米17戦目にして待望の1勝を挙げたものの、それに続くニュースはまだ聞かれていません。8月からはニューヨーカーの夏の避暑地であり、一流馬が集まるサラトガ競馬場に移動。有力調教師に向けてアピールすることになっています。【ターフライター・奥野庸介】(ニッカンスポーツ・コム/極ウマコラム「ワールドホースレーシング」)