今年で自身12度目の凱旋門賞挑戦となるクリストフ・ルメール騎手(43)は、“日本人”ジョッキーとして日本のために全力を尽くす。「凱旋門賞は特別なレースです。ベスト3の凱旋門賞、ケンタッキーダービー(米国)、エプソムダービー(英国)で世界一ぐらい。世界ですごい有名で、人気なレースですね」。15年、M・デムーロ騎手とともに外国人で初のJRA通年免許を取得。先週24日には武豊騎手の記録を更新する史上最少騎乗回数でのJRA通算1600勝も達成。心は日本とともにある。

「ずっと前から日本は、凱旋門賞の優勝を待っています。僕は日本のジョッキーとして、日本馬で勝ったらすごいうれしいですね。日本に凱旋門賞の優勝をあげたいです」。これまで外国馬で8度、日本馬で3度挑戦してはね返されてきたが、サムライ魂を胸に日本の悲願をかなえにいく。

コンビを組むステイフーリッシュとは今年、サウジアラビア、ドバイで海外重賞を連勝。「ロンシャンは特別な競馬場ですけど、彼は乗りやすい馬ですし、いろいろな競馬場で走りましたから、たぶん大丈夫だと思います。スタミナをたくさん持っているし、経験もたくさん持っている」。3000メートル超のレースで海外勢を破ったタフネスは、大きなアドバンテージだ。

注目される戦法も、イメージがある。ターゲットは、同じ日本馬のタイトルホルダーだ。「最初はタイトルホルダーの方がスピードがあります。だから彼は逃げるかもしれない。ステイフーリッシュはドバイで勝った時、リードホースの後ろの3番手でした。凱旋門賞でもタイトルホルダーが速いペースで走ったら2番手、3番手に行くかもしれないですね」。世界を驚かす“ルメールマジック”に注目だ。【奥田隼人】