クラシックに名乗りを上げた。松山弘平騎手(33)騎乗の3番人気タスティエーラ(牡、堀)が直線で抜け出し、重賞初制覇した。勝ち時計は2分0秒4。松山騎手と堀宣行調教師(55)は、中山記念に続いて2週連続重賞Vとなった。

今後はダービー(G1、芝2400メートル、5月28日=東京)を最大目標として、皐月賞(G1、芝2000メートル、4月16日=中山)の出走は状態次第で決定される。

  ◇  ◇  ◇

その勝ち方は父をほうふつさせた。タスティエーラは4コーナーを過ぎて直線に入ると、早々と先頭に立った。そこから最後まで先頭を譲らなかった。2着に1馬身差。松山騎手は「勝負どころでズブさがあるイメージ。なので自分から動いて、勝ちに行く競馬を選択しました。それに馬が応えてくれました」と振り返る。15年にサトノクラウンが息子と同じように、いい脚を長く持続させて勝利をつかんだ。8年後、父子制覇が達成された。

2週連続の重賞勝利。中山記念をヒシイグアスで制した松山騎手と堀師のタッグが、またも中山のファンをうならせた。鞍上は「強い競馬をしてくれました。このような素晴らしい馬に乗せていただいて、関係者の方々には感謝しています。次もしっかり走ってくれる馬だと思いますし、また頑張って欲しい」とエールを送った。

少しきついローテで皐月賞の優先出走権をつかんだ。前走の共同通信杯はキャリア2戦目。4着に敗れて賞金加算が出来なかった。そこから中2週で結果を出した。同馬を所有するキャロットファームの秋田博章社長は「直線で抜け出して、そこから(2着に)1馬身差を付けた。もう1ハロン、2ハロン距離が延びても大丈夫かな」と能力の高さに胸を張った。次走には「最終目標はダービー。今後は状態次第。間隔が詰まったのでね」と流動的だが、重賞ウイナーとなりクラシック戦線に名乗りを上げた。3歳世代にまた1頭、有力候補が現れた。【阿部泰斉】

 

◆弥生賞の父子V アグネスタキオン(01年)とアドマイヤオーラ(07年)が最初で今回が10組目。フジキセキ(95年)とサダムパテック(11年)、05年に勝ったディープインパクトは、カミノタサハラ(13年)など計7組の産駒と制覇。なおタスティエーラの父サトノクラウンは現3歳世代が初年度産駒。JRA重賞は、産駒のべ9頭の出走で初勝利となった。

◆最少キャリア勝利 タスティエーラはキャリア3戦目で勝利。01年アグネスタキオン、05年ディープインパクト、15年サトノクラウン、16年マカヒキと並ぶ最少。過去の4頭はいずれもG1馬となっている。

◆タスティエーラ▽父 サトノクラウン▽母 パルティトゥーラ(マンハッタンカフェ)▽牡3▽馬主 (有)キャロットファーム▽調教師 堀宣行(美浦)▽生産者 ノーザンファーム(北海道安平町)▽戦績 3戦2勝▽総収得賞金 6772万8000円▽馬名の由来 (楽器の)キーボード(伊)。母名より連想