オーストラリア出身の名手ダミアン・レーン騎手(29)が、タスティエーラ(牡、堀)で勝ち、4度目のダービー騎乗で初制覇を果たした。

堀宣行師が縁深い1勝をかみしめた。ダービー制覇は15年ドゥラメンテ以来2度目。タスティエーラの父で新種牡馬のサトノクラウンも管理しており、15年ダービーの3着馬だった。「お父さんの方が我が強かったと思います。あの世代は強い馬たちがしのぎを削っていたんだなと。初年度産駒でダービーを勝って何よりです」と口角を上げた。

あの一戦が大きかった。久々の共同通信杯を4着後、中2週で弥生賞へ向かい勝利した。「若馬はメンタル、経験が重要。調教も9割がメンタルのアプローチ。体調を見ながら経験もさせたいと思った」。ダメージを最小限にし、実戦でしか得られないものを力に変えた。「レース後はすぐ次に向けて現実に戻りますが、勝った時に一瞬だけほっとできる。それは競馬の神様が与えてくれた幸せだと思う。一瞬でも感じられて幸せです」。柔らかな表情に充実ぶりをにじませた。