障害の名手で、1957年中山大障害・春(クロシオ)の優勝をはじめ数多くの重賞を制した長池辰三元騎手が6月28日、茨城県阿見町の病院で病気療養中に亡くなった。享年95。2日に告別式が営まれる。

1953年に25歳で騎手免許を取得。大久保末吉師のもとで通算186勝、うち146勝を障害で挙げた(成績は54年のJRA創設後)。名馬タカライジンとのコンビでは中山大障害(63年秋、64年春・秋)で三たびフジノオー(横山富雄騎手)の2着に敗れたが、すべて名勝負で最大のライバルとして存在感を示した。騎手引退後は大久保洋吉厩舎で助手を務め、87年中山大障害・春を制したメジロアンタレスなどの調教に携わった。現場を離れたあとも毎年、中山大障害当日は中山競馬場に観戦に行っていたという。