岩手の超大物2歳馬フジユージーン(牡、瀬戸)が大楽勝して、今年から創設された2歳M1重賞の初代王者の座に就いた。父は新種牡馬ゴールデンバローズ。

単勝110円の断然人気。スタートで出遅れても、すぐに中団まで押し上げた。馬なりのまま4コーナーで先頭に並びかけ、直線では後続を難なく突き放した。他馬よりも外を走りながら、2着に1秒9差をつける大差勝ち。勝ち時計は1分25秒3。次元が違いすぎる勝ちっぷりで重賞2勝目、デビューから無傷の4連勝を飾った。

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手綱を取った村上忍騎手は「出遅れましたが、しっかり走ってくれたので気になりませんでした。前走(ビギナーズカップ)も中団からの競馬でしたが、今回は非常に強い競馬をしてくれました。道中の手応えが抜群で、後は抜け出すタイミングを計るだけ。ビジョンを見て、この感じなら大丈夫だと思いました。今後は距離も延びていくでしょうし、よそにも出かけると思いますが、この馬なら岩手代表として恥ずかしくないレースができると思います」と能力を再認識した。

フジユージーンは6月に水沢でデビュー。850メートル戦を2秒2差で圧勝した。2戦目の7月盛岡ダート1400メートルでは、デビュー戦に続き先手を奪って再び“圧逃”。1分26秒0の勝ち時計(重馬場)は2歳馬として破格で、一気に全国から注目されることになり、やや重のこの日は、さらに0秒7時計を短縮した。また重賞初挑戦となった8月のビギナーズカップ(M3)は初めて控える競馬で結果を出し、センスの良さも兼ね備えている。

 

◆ネクストスター 来年から本格的に始まる「全日本的なダート競走の体系整備」の一環として、全国8つの地方競馬場で2歳重賞「ネクストスター」を創設。1着賞金1000万円は全場共通。これらのレースから24年5月に園田で行われる3歳短距離路線の最高峰、兵庫チャンピオンシップ(Jpn2、ダート1400メートル)への道がスタートする。