地元勢が日本馬の前に立ちふさがった。日本馬計13頭が参戦した香港国際競走は、メインのカップでロマンチックウォリアー(せん5、C・シャム)が連覇を達成、マイルではゴールデンシックスティ(せん8、K・ルイ)が休み明け+大外枠をものともせずG1・10勝目を挙げるなど、G1・4競走中、香港勢が3勝。日本勢はヴァーズのゼッフィーロ(牡4、池江)の2着が最高で、18年以来5年ぶりの0勝となった。【井上力心、下村琴葉】

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ロマンチックウォリアーが今年も強さを見せつけた。序盤から行きっぷり良く4番手へ。4角で一気に動いたルクセンブルクのまくりを受け止める形で直線に向くと、残り200メートル付近で堂々と先頭に立った。ムーア騎手の剛腕に応えたライバルもあきらめず食い下がったが、激しいたたき合いを短頭差で制した。

昨年は早々に抜け出して4馬身半差の快勝だった。今年は僅差ながら、王者のプライドを示し最後まで先頭を譲らなかった。春の香港ダービーから4連勝と勢いに乗っての優勝だった昨年と違い、今年は勝ち切れないレースも多かった。ただ、オーストラリアに遠征しコックスプレート制覇で自信を取り戻した。きついローテながら史上2頭目の連覇達成。マクドナルド騎手は「彼は私が今まで乗った中で最もタフな競走馬だと思います。彼の勇気は素晴らしい。とても素晴らしい馬であることを光栄に思います」と最大の賛辞を贈った。

日本馬の最先着はヒシイグアスの3着。直線は他馬に寄られて行き場をなくす場面もあったが1、2着馬の間の狭いスペースをこじ開けながら最後まであきらめなかった。「素晴らしい走りでした。直線の不利が少しもったいなかったです」とモレイラ騎手が話したように意地は見せた。ただ、今年もロマンチックウォリアーの壁は厚く、高く日本勢の前に立ちふさがった。