今年最初のJRA重賞は岩田康誠騎手(49)とコレペティトール(牡4、中竹)が8番人気の低評価を覆した。3月で50歳の豪腕が得意のイン突きで初タイトル獲得へ導いた。辰(たつ)年の生まれで還暦の中竹和也調教師(59)は21年エリザベス女王杯(アカイイト)以来2年2カ月ぶりのJRA重賞制覇となった。

鋭い眼光が最内に進路を見いだした。迷いはない。岩田康騎手は残り150メートル付近でコレペティトールを内ラチ沿いへ突っ込ませた。左腕で振り下ろしたステッキに応え、栗毛流星の顔が先頭へ躍り出る。低評価を覆し、今年最初のJRA重賞をつかみとった。

前残りの目立った開幕週の馬場を読み切り、後方一気の前走から一転して中団につけた。最後は得意のイン突きだ。「出していった分、かかったけど、馬の状態も良かったし、最後まであきらめないで自分の進路だけを見つけて、なんとかこじ開けようと。内か外かと思ったけど、内へ切り替えて、一番いい選択だったと思う」。50歳目前にして衰え知らずの果敢な騎乗が光った。円熟のベテランと伸び盛りの明け4歳馬。マイル界の主役を目指して、新年早々に絶好の発進を決めた。【太田尚樹】

◆コレペティトール ▽父 ジャスタウェイ▽母 ベガスナイト(コロナドズクエスト)▽牡4▽馬主 加藤誠▽調教師 中竹和也(栗東)▽生産者 社台ファーム(北海道千歳市)▽戦績 10戦5勝▽総獲得賞金 1億433万1000円▽馬名の由来 歌劇場などで音楽稽古をつけるコーチ