障害競走(ジャンプ)で今年早くも5勝を挙げている上野翔騎手(38)が美浦トレセンで15日、ここまでの活躍と先週の競馬で負ったケガの状況について語った。

年始から驚異のペースで勝利を量産し、競馬ファンをうならせてきた上野騎手。中山新春ジャンプSのセブンデイズで今年初勝利を挙げると、小倉開催ではティートラップ、サインオブサクセス、牛若丸ジャンプSのケイティクレバーで騎乗機会3連勝。1月だけで4勝を挙げ、2月3日のサンデイビスも含め、ここまでに15鞍で5勝という猛烈なスタートダッシュを決めた。「勝てているのはすべて馬のおかげです。自分がうまく乗ったから勝てたというレースは1つもないと思ってます。セブンデイズはこれからもっと大きい舞台を狙っていくためにどうしていくのかを考えていきたい。ケイティクレバーは素晴らしい競馬をしてくれましたね」。クールな表情を崩さず、謙虚に振り返った。

華やかな一方で、危険と隣り合わせの厳しく、過酷な世界。先週土曜の小倉4Rで落馬負傷し、現在は左膝にサポーターをしている状況だ。左膝の内側側副靱帯(じんたい)を損傷しており、今後は保存療法を選択するのか、手術をするのかを医師と相談していくとのこと。復帰には時間を要することになりそうだが、この日も美浦トレセンの南スタンドで調教を見守り、騎手の仲間、関係者と打ち合わせを行っていた。「ケガをした左足以外はピンピンしています」と前向きな上野騎手。元気に復帰し、充実の24年シーズンになってほしい。【木南友輔】