3歳牝馬クラシック第2弾、オークス(G1、芝2400メートル、25日=東京)の最終追い切りが21日、東西トレセンで行われた。調教深掘り企画「追い切りの番人」では、大阪の下村琴葉(ことは)記者が桜花賞3着馬リンクスティップ(西村)の戦歴と調整過程に注目。デビュー前からオークス参戦を目標としてきた馬で、2歳時から見据えた大一番へ、態勢は万全とみる。
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昨年の秋、西村厩舎に足を運ぶと、デビュー前のリンクスティップが洗い場にいた。新田助手は馬を手入れしながら「この馬はオークスやな」とつぶやいた。乗り手の指示に忠実に従う操縦性、大きな跳び、ハードな調教をこなしてもすぐに息が入る心肺機能、長くいい脚を使える強み。長所の1つ1つが、オークス適性とマッチする。
従って、マイルの桜花賞よりも“芝2400メートル”の舞台を目指し、芝2000メートルでのデビューとなった。その新馬戦はゲートで遅れる場面もあったが、直線で鋭く伸びて牡馬ミッキーゴールドと頭差の2着。才能の片りんを見せた。
前走の桜花賞はフルゲート18頭のうち、出走馬決定順18番目で参戦。慣れない距離に出遅れも重なったが、ロングスパートで3着に食い込んだ。“次”がより楽しみになる内容だった。
馬自身も“大目標”を分かっているのか、桜花賞後の短期放牧で急成長を遂げたそう。馬体重は大きく変わらないが、肩回りやお尻のラインがボリュームアップした。「数字以上に大きく見せるようになった。張りがある。きゃしゃな女の子から大人になっている感じ」。さらに精神的にもゆとりが出てきて「カリカリすることが減った。食べる量も結構増えている」と大きな上積みがある。
注目の最終追いはいつも通り坂路で、4ハロン55秒9-12秒6と上がり重点で整えられた。桜花賞時の同57秒3-12秒5と数字の上では大きく変わらないが、新田助手は「良かった。やりすぎず。桜花賞の時より状態は全然いい。自信はある」と文句なしの仕上がりを伝えた。
陣営の青写真通りに活躍できる馬はほんのひと握り。そんな競馬の世界で、リンクスティップは順調に階段を上がっている。馬と関係者の努力のたまものだ。「秋にはもっと良くなると思う。勝って、秋は秋華賞に行きたい」(新田助手)。昨秋から描いてきたオークスへ、そしてまたその先へ、すべては線でつながっている。【下村琴葉】

