無傷5連勝で秋華賞を制した、モンローウォークを担当する上村典久厩務員は、上村洋行師のお兄さん。調教師である弟の人柄を聞くと、悩んだ末に「心配性」と返ってきた。
上村師はモンローの取材で、強気な言葉を繰り返しただけに、正直、少し疑ってしまったのだが、上村厩務員の話を聞くと納得。
「とにかく馬に関して細かいんですよ。気になってどうしようもないみたいで。(管理馬で)乗らない馬は基本いないなぁ」
思い返すと、モンローウォークには追い切り日は当然のように騎乗。それ以外の日でも手綱を握っていた。もちろん、他の馬に対してもそう。
「助手も『1回乗ってください』って言うからね」と上村厩務員は話す。
上村師は自分自身で感触を確かめているからこそ、自信を持って発言できる。言葉にも説得力が増す。記者も師のジャッジは、いつも信頼している。
師が馬作りに夢中になれる根源は「馬が好き」のただ1点だと兄は理解している。
「小さい頃から馬が大好きで、小学校低学年の時には『ジョッキーになる』って言っていた。兄弟だけど100%っていうぐらい、馬の話しかしない。乗るのが大好きだから、体が動かなくなるまで乗り続けると思う」
ジョッキーとして、調教師として、競馬の世界で生き続ける上村師の情熱が、兄にはずっと届いていた。
そして、兄弟で成し遂げたG1制覇。弟・上村師は勝利後、兄弟制覇について問われると「その辺はおまけみたいなもんです」と照れを隠さなかった。【原田竣矢】

