梅雨入り前の6月2、3日に開催された「BRM602 西東京600km諏訪湖」に参加した。町田をスタートして伊豆・修善寺を経由し、富士から北上して富士見峠を上って諏訪湖を目指す。諏訪湖をほぼ1周して折り返した後は、七里岩ラインを走って芝川に戻り、北上して朝霧高原を上り、本栖湖、精進湖、西湖、河口湖、山中湖の富士五湖周辺を巡って道志みちを帰るコース。この中で一番きついのは朝霧高原。それも460キロ走った後にやってくるラスボスだ。ヘロヘロになってなんとか完走したが、「朝霧高原は上るのではなく、下るもの」との印象をさらに強くしたライドだった。2度と上らないだろうなぁ、たぶん(^_^;


諏訪湖の釜口水門。天竜川の起点
諏訪湖の釜口水門。天竜川の起点

「BRM602 西東京600km諏訪湖」のコース
「BRM602 西東京600km諏訪湖」のコース

 一時は土曜日に雨マークがついたが、天気は好転し、2日間とも晴れマークとなった。日曜日は暑くなるらしいが、絶好の600キロのサイクリング日和となった。昨年のこのコースは9月に開催された。台風による大雨の中、三十数人が果敢にスタートを切ったが、完走はたった9人だったそうだ。自分も参加を予定していたが、当然DNS。天候に恵まれようやくリベンジのチャンスを得た。


 試走報告に「寒い」とあったので、厚手のウインドブレーカー、長袖のモンベルのジオライン・サイクルアンダーシャツ、ウインドブレーク・グローブ、レッグウオーマーで夜中の富士見峠からの下りに備えた。これらのウエアを入れると、今回使用するサドルバックのコントアー・マックススポーツの重量は3キロちょうど。しかし、直前の予報で「山沿いは雨の可能性」などど言うものだから、モンベルのレインウエアを上着だけ追加。このため、重量は3・3キロとなり、輪行袋は今回も入らなかった。


 自宅を午前4時前に出発。肌寒さを感じたのでアームウオーマー、ニーウオーマー、モンベルの超軽量ウインドブレーカーを身につけた。これで明け方と夕方からの「ちょい寒」は調整していこう。


 境川サイクリングロードを走り、約13キロ先のスタート地点の町田・淡島公園へ向かう。町田駅手前で町田街道に出て、木曽のセブンイレブンで軽く腹ごしらえし、淡島公園には4時過ぎに到着。4時半過ぎからブリーフィングが始まり、5時前には順次、600キロの旅へ出発した。


スタート前の車検(2日午前4時47分)
スタート前の車検(2日午前4時47分)

 スタート地点から3・2キロの陽光台七丁目交差点を左折すると、休日のツーリングでいつも走っているお馴染みの道となる。座間市役所を左折した右手には自転車乗りが集う北京料理店の「双龍」。もう何年も行ってないなぁ(^_^; ちなみにこの日着ているのは2代目のSSR(相模湘南ライダーズ)ジャージ。ブルベをこれで走るのは初めてだ。


 体も暖まってきたので20キロ付近でトレインを離脱してストップ。アームウオーマー、ニーウオーマーを脱ぎ、半袖ジャージ&レーパンの姿となり、藤沢から鎌倉へ向かう。平たんで信号も多いので、再びトレインを形成して走る。


【チェックポイント 39・8キロ セブンイレブン鎌倉七里ガ浜店】午前6時54分(貯金1時間38分)


 鎌倉のチェックポイントには午前7時前に到着。貯金は1時間38分といいペース。終盤の朝霧高原に時間を食われることは間違いないので、国道20号に出るまでにどのくらい貯金ができるかがこのブルベの勝負。折り返しまでに5時間以上貯金が欲しいところだが、それだと300キロを15時間以内に走ることになってしまう。富士見峠があるので自分にとっては厳しいが、頑張って少しでも睡眠時間を確保したいところだ。今宵の青空ホテルは諏訪湖湖畔の予定だが、屋根のあるホテルの布団で眠れる脚が欲しい。切実な願いだが、今年還暦を迎え、夏に2人目の孫が生まれるじーさんにとっては無理な相談だな(T_T)


鎌倉のチェックポイント前の行合橋交差点。江の島が臨める(2日午前6時59分)
鎌倉のチェックポイント前の行合橋交差点。江の島が臨める(2日午前6時59分)

 コンビニは大盛況だったので、鮭といくらのおむすびをパクつき、すぐにスタート。ちょうどセブンイレブンのおにぎり100円のセール中だったので、ちょっと得した気分。


 チェックポイントを折り返してからは国道134号、国道1号の平たん高速区間。大磯付近でヘルメットのストラップが外れるちょっとしたトラブルがあったが、大事には至らず、晴れ渡った海岸線を気持ち良く進む。


午前7時30分、トラスコ湘南大橋。気温23度
午前7時30分、トラスコ湘南大橋。気温23度

午前8時48分、小田原・石橋付近の国道135号の海岸線
午前8時48分、小田原・石橋付近の国道135号の海岸線

午前9時11分、湯河原を過ぎ、伊豆半島に入り熱海へ向かい上って行く
午前9時11分、湯河原を過ぎ、伊豆半島に入り熱海へ向かい上って行く

午前9時30分、お宮の松通過。99キロ地点
午前9時30分、お宮の松通過。99キロ地点

 今回のブルベはPC1が144・6キロ。PC間は普通は50キロ前後、長くても70〜80キロなのでこの距離はちょっと長すぎないか? 鎌倉のチェックポイントからも100キロ以上ある。こんなにイッキには走れないし亀石への上りに備え、111キロ付近のセブンイレブン熱海網代店でひと息入れた。照り焼きたまごバーガー、アクエリアスを補給していると、何人か吸収されてきた。


 海岸線を走るのは気持ちいいが、たぶん明日になったらここを走っていたことなんか忘れてしまうんだろうなと思うと、ちょっと苦笑い。


午前10時26分、宇佐美駅付近
午前10時26分、宇佐美駅付近

午前10時28分、宇佐美海水浴場
午前10時28分、宇佐美海水浴場

 115キロ地点、伊東のホテル・サンハトヤ手前の岩松交差点を右に曲がり、海岸線に別れを告げて冷川トンネルへ向かう。


午前10時33分、ホテル・サンハトヤ手前の岩松交差点
午前10時33分、ホテル・サンハトヤ手前の岩松交差点

 しばらく伊東の街中を走った後、中伊豆BP入口交差点を左折すると上りが始まる。ピークの冷川トンネルまでは5キロ弱。平均こう配は5%で、修善寺に向かうほかの山伏峠、亀石峠、冷川峠のコースと比べ、一番緩い(^o^) それでも汗びっしょりでヨロヨロ上るのは変わりない。


午前11時4分、トンネルが現れた
午前11時4分、トンネルが現れた

 上り始めてすぐにトンネル出現。「もう着いた」と歓声を上げかけたが、冷川トンネルではなかった。残念。


 伊東付近でGPSに昨年のキューシートを入れてしまったというブルベライダーと合流。冷川トンネルへの上りを自分が引く形で2人で上った。平たんはそこそこだが、上りになった途端に亀さんになるので「先に行っていいですよ。冷川を左で横瀬に出ますよ」と言ったが、「のんびり行きますからいいですよ」とそのままの態勢。こっちはこれが目いっぱい。ちょっと申し訳なかった。


 やがてトンネル手前のお約束の電光掲示板が現れる。お互いに「あ、着いた」とトンネルを見るまでもなく声を上げた。


午前11時24分、冷川トンネル到着
午前11時24分、冷川トンネル到着

 冷川トンネルからは修善寺へ向かって下り。駅周辺は渋滞しており、狩野川を渡った先の横瀬交差点の長い信号もあって少し時間を食ったが、横瀬を過ぎてからはスムーズに走れた。


【PC1 144・6キロ ローソン伊豆熊坂店】午後0時5分(貯金2時間35分)


 スタートから7時間ほど走ってようやくPC1。200キロブルベなら次はもうゴールだが、600キロブルベなので残りは460キロ。ゴールする姿が想像できないぐらい先は長い。ただし、ここまでのグロス時速は20キロ超で、貯金も2時間35分といいペース。何とか富士見峠まではこのペースで行きたい。


 ちょうとお昼どきだったのでがっつり食べようかと思ったが、コンビニはブルベライダーで大盛況でイートインは満席。144キロ地点とはいえ、ほぼ平たんで峠はひとつしかないここまでのコースだと、差はあまりつかない。次のPC2が40キロ先と近いのでそっちで食べることにし、トマトジュースを一気飲みし、補給食として携行していたクリームぱんを頬張ってすぐにリスタートした。

 

 PC1から口野放水路までは、3月に走った同じ西東京ブルベの「しおかつお200松崎コース」と同じ。なのにPCを出てすぐ右折するポイントでミスコース。なんとなくこの前と雰囲気が違う気がして直進してしまった。あとで思ったのだが、国道414号を右折する149・2キロの名無し交差点と勘違いしたようだった。


午後0時19分、狩野川沿いの長嶋茂雄ランニングロード
午後0時19分、狩野川沿いの長嶋茂雄ランニングロード

 PC2からは狩野川沿いのサイクリングロード(長嶋茂雄ランニングロード)などを走った後、口野放水路で伊豆半島に別れを告げ、沼津から富士へ向かって海岸沿いの道を進む。まずは北上し、その後は西へ向かうことになるのだが、どこを向いても向かい風。これが富士川に出るまで続いた。


 沼津市役所前から富士川橋西までは32キロの直線。上りや下りなら変化があってまだ耐えられるが、平たんで単調なコースなので退屈だ。ブルベではこの区間はいつも苦行となる。海岸沿いといっても海は見えず、最初は松林が続くが、やがて町中となり、右手にあるはずの富士山もこの日は顔を見せてくれない。車の通行量も多く、トラックも走っている。途中、自販機休憩で気を紛らし、なんとか富士川にたどりついた。


午後1時20分、沼津付近は左手に松林が広がっている
午後1時20分、沼津付近は左手に松林が広がっている

午後1時38分、残念ながら富士山は雲の中
午後1時38分、残念ながら富士山は雲の中

午後2時8分、富士川橋
午後2時8分、富士川橋

 富士川を越えた後に右折するのは久しぶり。たぶん、09年4月の神奈川ブルベ「沼津400」以来。このときは低気圧直撃で400キロのうち300キロが雨。寒さに震えながら沼津から諏訪湖を往復するという、これまでで一番きつかったブルベだった。今日は晴れていて良かった♪


【PC2 187・7キロ ミニストップ富士川木島店】午後2時22分(貯金3時間10分)


 187・7キロ地点のPC2は富士川西交差点を右折してすぐのところにある。うまいぐあいにイートインの席が空いたので、スコールメロンを飲みながらピリ辛和風カレー丼を腹に詰め込み、クーリッシュで体を冷やした。スコールメロンは初めて飲んだが、いいね、これ。気に入った。


 富士川沿いを北上するようになってようやく追い風となってきた。この区間はブルベで何度か走っているが、風は午前中は海に向かって吹き、午後は陸へ向かう。過去の神奈川ブルベの「青葉300」では強烈な向かい風に何度も泣かされてきたが、今回は往路、復路とも天国の追い風となりそうだ。


 県道10号をそのまま走っていると、自然に富山橋で富士川を渡り、今度は左岸を走るようになる。芝川からは身延線に沿って波高島までほぼ30キロ超の直線(稲子駅前で左折するが)となるのだが、これは先ほどの沼津から富士川までの直線と違い、アップダウンはあるが車の通行量は少なく信号もなく、逆に風景はたっぷり楽しめる、まさに「これぞブルベ」の区間。心を落ち着けてサイクリングが満喫できる。この区間は昼も夜も走ったことがあるが、それぞれに味わい深い。


午後2時52分、富山橋で富士川を渡る
午後2時52分、富山橋で富士川を渡る

午後2時54分、芝川付近。県道75号へ右折すると朝霧高原。翌日の何時ごろに戻ってこれるのだろうか?
午後2時54分、芝川付近。県道75号へ右折すると朝霧高原。翌日の何時ごろに戻ってこれるのだろうか?

 約200キロ地点となる稲子駅前には午後3時7分に到着。最初の200キロブルベの終了だ。タイムは10時間7分。このコースだと10時間は切れると思っていたが、やはりブルベは甘くない。しかし、まずまずのペースだ。


午後3時7分、稲子駅前
午後3時7分、稲子駅前

 稲子駅前は左折して国道469号へ。急坂を上りきる手前から山梨県となる。(「その2」へ続きます)【メディア戦略本部 石井政己】