神奈川のダムカレーを制覇したぞ~(^o^) 今年の夏に訪れた丹沢湖でたまたま「ダムカレー」を発見。調べてみると他にも存在するようで、ダムカレーを提供する店舗などで運営している「日本ダムカレー協会」のHPによると、「ごはんを堰堤(えんてい)、カレールーを貯水池として表現」しているというダムカレーは09年ごろから注目され始め、20年11月現在で190種類以上もあるという。ダムマニアというわけではないが、カレーは大好き。地元神奈川にも丹沢湖のものを含め3種類あるようなので、紅葉の時期にグルメライドを楽しんだ。


相模ダムカレー
相模ダムカレー

今回訪れた神奈川県のダム
今回訪れた神奈川県のダム

まずは11月下旬に宮ケ瀬ダムへ。重力式コンクリートダムで平成13年に神奈川県のほぼ中央を流れる相模川に注ぐ支流のひとつの中津川に作られた。国内で6番目の高さを誇り、人造湖の宮ケ瀬湖は首都圏最大級のダム貯水池となっている。標高は約320メートル。


ルートはいくつかあるが、この日は中津川沿いの県道54号を走り、馬渡橋の先を左折して馬渡坂を上った。この坂は馬渡大坂とも呼ばれこう配10%以上の激坂がいきなり始まるので、左折前にインナーローにシフトチェンジしていないと上れない、というかコケてしまう。国道412号と交差する信号を越えた先のピークまでは距離1・5キロ、平均こう配は9・2%。いったん下るが、県道514号を左折すると再び10%越えの上りが始まり息つく暇もない。しかし、こう配が緩やかになった後、トンネルをいくつか抜けると右手に宮ケ瀬ダムの雄姿が目に飛び込んでくるという絶景が待っている。


宮ケ瀬ダム
宮ケ瀬ダム

そのまま進み、長いトンネルを抜けた後に右折してやまびこ大橋を渡り、ヤビツ峠への分岐を過ぎてしばらくすると、目的地の宮ケ瀬湖の湖畔園地に到着。駐車場近くにある水の郷商店街の東端にある「旅館みはる」が宮ケ瀬ダムカレーを提供している。この日は平日だったが、紅葉シーズンとあってお昼前でも高齢のご夫婦らでほぼ満席の状態だった。


宮ケ瀬湖の湖畔の広場
宮ケ瀬湖の湖畔の広場

宮ケ瀬ダムカレー
宮ケ瀬ダムカレー

宮ケ瀬ダムカレーの説明
宮ケ瀬ダムカレーの説明

宮ケ瀬ダムカレー(1210円)はテレビ東京系「出没!アド街ック天国」で紹介されたことがきっかけで11年7月16日に誕生。説明書が付いており、ライスをルーでせき止め、とんかつはダムの放流口、にんじんは虹の大橋、ししとうは宮ケ瀬名物のジャンボクリスマスツリーなどとあり、「完璧に宮ケ瀬ダムの景観を表現」とする自信の作。「あれ、きのこの山もあるのか」などと説明書を読みながら楽しく味わった。


満腹となった後は県道64号をそのまま東へ向かい、虹の大橋を渡り、鳥居原も直進。こうすると宮ケ瀬湖をほぼ1周でき、トンネルの先でダムの反対側へ出ることができる。さらに進み、下った先を右へ曲がればアイス工房のある服部牧場。さらにダム下へ行くことのできるあいかわ公園となる。ただ公園内は自転車禁止。歩くにしてもクリートのついたシューズでは厳しいので引き返した。ダムの堤体内には高低差120メートルのエレベーターがあり、頂上まで一気に行けるので機会があれば行ってみたいものだ。


宮ケ瀬湖。奥に宮ケ瀬ダム
宮ケ瀬湖。奥に宮ケ瀬ダム

さて、お次は相模ダム。宮ケ瀬ダムから1週間後に訪れた。相模川で最初の大ダムとして47年に完成した、こちらも重力式コンクリートダム。JR相模湖駅の近くにある。ただ標高が約200メートルしかなく普通に行けば上りがいがないので、紅葉盛りの高尾経由で向かった。


国道20号(甲州街道)に町田街道入口交差点から入り、西へ向かう。この日も平日だったが、高尾山麓は紅葉を楽しむ大勢の人でにぎわっていた。


高尾山山麓
高尾山山麓

高尾山山麓
高尾山山麓

東京と神奈川の県境となる標高392メートルの大垂水峠は高尾駅から約9キロ。高尾山IC付近から徐々に上り始め、レトロなレストラン「ごん助」付近からややきつくなり、ピークまで残り2キロの平均こう配は6・0%。ただ最高でも8%程度なのでトレーニングなどには最適のコースだ。といっても還暦過ぎの筆者にとってはきつい坂。もうちょっと若いころは軽く往復してたんだけどな。


標高392メートルの大垂水峠
標高392メートルの大垂水峠

峠道を気持ち良く下り、さらに相模湖駅前交差点を左折して下り切ると相模湖にど~んとぶつかる。ただし、ダムカレーのある「ともしび喫茶レストラン青林檎」は湖畔の公園内ではなく、相模湖公園交差点を渡って少し上ったところにある交流センターの2階にある。


相模湖
相模湖

相模ダム
相模ダム

相模ダムカレーは11年10月にダムマニアの祭典である「相模湖ダムマニア展」に合わせて販売を開始。「相模湖に浮かんでいる流木とワカサギなどをイメージ」とこちらも説明書付きだ。


相模ダムカレー
相模ダムカレー

相模ダムカレーの説明
相模ダムカレーの説明

500円とあってシンプルだが、ごはんがしっかりとダムの形状になっており、「堰(せ)き止める」というダムとしての機能も果たし、まさにダムカレーの王道といえるのではないか。ただ、サイクリストとしてはちょっと量が物足りないかな(^_^;


最後は丹沢湖にある三保ダム。酒匂川に1979年(昭54)に完成した。岩石や土砂を積み上げて建設する型式のロックフィルダムで標高は約370メートル。こちらも相模ダムから1週間後の12月上旬に訪れた。


神奈川県央の自宅からは国道246号で向かうことになるのだが、山北付近から国道はトンネルなどが多く自転車にとって厳しい道となるので、迂回ルートとなる旧道を走った。


まずは山北駅手前から県道76号(山北藤野線)に入り、JR御殿場線の山北駅前を通過。樋口橋交差点でいったん国道246号に出るが、次の安戸交差点で再び県道76号に戻り、酒匂川沿いの道を進んで行く。このあたりは東名高速で言えば都夫良野(つぶらの)トンネルの南にあたる所。車の通行も少なく気持ち良く走れる道で、サイクリストにとっては定番ルートだ。新鞠子橋交差点の先で県道727号とのY字路があり、左へそのまま進むと谷峨駅入口交差点で国道246号に合流し、次の清水橋交差点を右折すると丹沢湖方面となる。ちなみに清水橋交差点を直進してしばらくすると静岡県との県境。「遠くへきたもんだ」感たっぷりだ。


清水橋からは川内川に沿って緩やかに上っていく。下流付近は新東名の工事車両が行き交っているが、道の駅を過ぎるとトラックの姿も消えて快適なライドとなる。しかし、左手にダムが見え始める最後の1キロほどがきつい。登坂車線も現れ、残り1・2キロの平均こう配は8・2%だ。上りきってトンネルを抜けると丹沢湖が現れ、しばらくすると左手に三保ダムの天端道路への入り口が見えてくる。


ダムの斜面には下流側直下のダム広場へつながるV字状の道が整備されており、ウオーキングマップなども神奈川県のHPの中で公開されている。もちろん自転車・スケートボード等での走行は禁止。天気が良く紅葉もきれいに見える日だったので歩きたい気持ちがあったが、宮ケ瀬と同様、クリートの付いたシューズでは滑って転ぶのが目に見えているので断念した。


丹沢湖
丹沢湖

丹沢湖
丹沢湖

三保ダム
三保ダム

三保ダム
三保ダム

三保ダムカレーは三保ダムの先にある「丹沢湖レストハウス」で提供されている。同店は三保ダム完成時にオープンしたというから、今年で創業42年の老舗。ダムカレー(935円)は16年7月から販売が開始された。おにぎりがロックフィル、青のりはダム背面の植生、キュウリは洪水吐(こうずいばき)、カレーに浮かんでいるのは地元足柄牛のメンチカツとパセリで上流島(通称ボッコ塚)を表しているそうだ。揚げたてのメンチカツがサクサクで美味だった。


三保ダムカレー
三保ダムカレー

三保ダムカレーを提供する丹沢湖レストハウス
三保ダムカレーを提供する丹沢湖レストハウス

紅葉とダムカレーを目指してヒルクライムした3週連続のライド。景色も味も満足満足(^o^)の旅だった。しかし、ダムカレーを調べてみると同じダムでもお店によって内容が違うカレーがあったりするようで奥が深そう。もっと遠出して食べたくなったなぁ。黒部ダム? いや、とりあえずは奥多摩湖の小河内ダムで…(^_^;【石井政己】