河津桜を目指し2月21、22日で敢行した伊豆1泊サイクリング。無事に135キロ地点の河津に到着したが(その1はこちら)、花見の途中で強風にあおられて自転車が倒れ、ライトを取り付けていたシリコンバンドが切れるアクシデントに見舞われた。もっとのんびりしたかったのだが、明るいうちに今夜の宿にたどり着かねばならなくなり、慌てて湯ケ島へ向けて出発した。
河津を出発したのは午後2時ごろ。湯ケ島までは30キロほどだが、「天城越え」という強敵が待っている。
河津川を渡り「谷津」交差点を右折して県道14号を北上。対岸に続く桜並木を名残惜しげに眺めながら走り続ける。
道は緩やかに上って行くのだが、強烈な向かい風でこう配以上のきつさを感じる。5キロほど走り下田街道(国道414号)と合流するあたりからこう配が本当にきつくなり、さらに5キロ進むと河津七滝(かわづななだる)ループ橋に到達する。この橋は81年3月に誕生。全長1064・1メートルで、760度を2回転して44・9メートルを上る。こう配は5%ほどか。高所恐怖症なのでできれば走りたくないのだが、残念ながら回避ルートはない。上るにつれて広がる景観には目もくれず、下を向いて黙々とペダルを回す。
ループ橋からこう配は一段ときつくなるのだが、2キロほど走るとトンネルが見えてきた。「え? 天城トンネル? もう着いた?」と喜んだが、トンネルの名は「登尾(のぼりお)」。実はその少し先にもトンネルがあり、こちらは「鍋失(なべうしない)」。ぬか喜びだったようだ。「あまぎぃ~ご~ぉえ~」の上りはまだまだ続くのだ。
その「鍋失」といういかにも由来がありそうな地名のトンネルの先に旧天城トンネルと寒天橋への分岐が見えてきた。当然行ってみたいところだが、明るいうちに湯ケ島へ着かなければならないという事情があったので泣く泣く諦めた。いや、ここまでが意外ときつくてもう余計な上りが増えるのがいやだったというのが本音かな(^_^; ただ、ストリートビューなどで道を確認するとほとんどが未舗装路だったのでロードバイクでは厳しそうだ。いずれは訪ねることになるが、その時はグラベルロードにしよう。
旧道はクネクネ道だが、国道414号は直線的な上り。足を休ませることもできず、交通量も多いので気が抜けない。
ピークの新天城トンネルまで残り1キロほどのところからが本当にきつかった。ちょうど東海バスの「二階滝(にかいだる)」バス停があり、「自転車積載できます」という表示が目に飛び込んできた。自転車をそのまま乗せてくれ、今この瞬間にバスが来たら乗っていたかも、というぐらいきつかった。実際にはバスが来るのが40分後だったので歩いた方が早かったけどね。
ピークが近づくにつれ、「自信がなかったらUターン」などといった雪への注意喚起の立て看板が続々と現れた。こちらは南斜面だが、トンネルの先は北斜面だ。今回のツーリングではそれが一番心配だったので、事前にライブカメラなどで状況を確認していた。直前にあった「トンネルの先 本気で雪国」とある看板の上から「本日積雪なし」と紙が貼られていたのでほっとひと息。
新天城トンネル到着は午後3時20分ごろ。ループ橋からここまでは6・3キロで平均こう配は7・2%。最大は14・1%(Ride With GPSによる)。63歳の足にはきつい坂だった。
新天城トンネルは800メートルと長いが、湯ケ島へ向かって下りとなっていたので助かった。
トンネルを抜けると「積雪なし」の言葉通り、やはり雪国ではなかった。だが凍結はありそうだ。慎重にダウンヒルしていく。
道の駅天城越え、浄蓮の滝に立ち寄り、湯ケ島の宿に到着したのは午後4時過ぎ。何とか明るいうちにたどり着けた。だが、コロナ禍で客足が減り、この宿では朝食はあるが夕食を提供する宿泊プランはなかった。近所に食堂はいくつかあるが、やはりコロナ禍で閉店時間が早くなっており、午後3時ごろにはのれんを降ろしてしまうようだった。
コンビニが近くにあったので「夕食難民」は回避できそうだが、せっかくここまで来たのだから地元のものをという思いもあって早く着きたかったのだ。やはり間に合わなかったか。だが、宿の女将さんが近所の食堂に電話してくれ、「今行けば閉めないで待っててくれる」という郷土料理店があったのでひとっ走り。午後4時半と夕食にはかなり早い時間だったが、ヒルクライムでカロリーを消費していたので問題なく「鮎の塩焼き定食」をいただいた。ご飯は鮎の炊き込みご飯、鮎も子持ちにグレードアップ。ま、旅先ですから(^o^)
午前5時ごろに神奈川県央の自宅を出発。この日は165・5キロを走った。獲得標高は1960メートル。気持ちのいい汗をかき、地元の美味しいものも堪能できた。ほどよい疲労感もある。さて後はのんびり風呂につかり、狩野川のせせらぎを聞きながらビールで喉を潤して明日のヒルクライムに備えるとしよう。(続く)【石井政己】














