現在もまだ、どのE-Bikeにするか決まっていない。

ただ、最終目標としている日本一周やオーストラリアの旅など、数千キロ走る長い旅を考えると候補車は絞られてくる。キャンプ用品など荷物がたくさん詰めるキャリアが装備できること、長距離走行にも耐えられる車体や足回りを備えていること、バッテリー満充電の状態で走行距離が100キロ以上あること。この3つ条件を満たすBikeとなるとある程度絞られてくる。さらに自分の好みのスタイルという視点を加えると、2台に絞られる。

1台がミヤタサイクルのロードレックス。もう1台がヤマハのYPJ-ERだ。

どちらもドロップハンドルで長距離走行を前提として作られたE-Bike。バッテリーの位置や変速ギア、タイヤサイズ、航続距離などのいくつか違いはあるが、一長一短があり甲乙つけがたい。

試乗ではなくある程度の距離を走れるレンタルの方がその車の特徴を知ることができるのでレンタルで探すが、目当ての2台を扱っているところがない。特にロードレックスは試乗車も見つからない。ようやく見つかったと思ったら東北や四国と遠い住所だったりして、どうもうまくいかない。

レンタルは諦めて試乗にするかなぁ…と思っていたところ、検索で「ロードレックス試乗できます」の文字がヒットした。住所を見ると東京都町田市と自宅から近い。ただ情報が少し古いようなので、いまは試乗できないかも。考えても仕方ない、ダメモトで問い合わせメールを出してみる。するとすぐに返信メールが返ってきた。開いてみると

「ロードレックスを試乗ということですね。店舗周辺を2〜3キロ試乗していただくことも可能ですが、E-Bikeはその特性を味わっていただくには、ある程度の距離を乗ってはじめてその楽しさが分かるものですので、半日から5日間レンタルも可能です…鶴川サイクル(https://www.trkw3196.com)」


鶴川サイクルを営む井出さんファミリーが出迎えてくれた
鶴川サイクルを営む井出さんファミリーが出迎えてくれた

自転車安全整備士、自転車技士、サイクルマイスターなどの資格を持つ井出さん
自転車安全整備士、自転車技士、サイクルマイスターなどの資格を持つ井出さん


僕の思いを知っていたかのようなメールが返ってきた。これは奇跡か。すぐに返信する。その後、電話でやり取り、翌日から借りられることになった。バスと電車を使って鶴川へ。鶴川サイクルは住宅地の中にあるアットホームなお店だった。自転車販売店で50年以上続いているというからすごい。僕の近所にも昔は自転車屋が何軒もあったが、つぶれたり商売替えをしたり、いま残っているのは2軒だけ。50年以上続いているのは地域に愛され、お客さんに信頼されている何よりの証し。

ご夫婦で経営されているようで、まずは奥さんにこれまでの旅の体験やこれから始めるE-Bikeへの思いを話した。初めて見る中年男の話をニコニコとうれしそうにうなきながら聞いてくれる。いい気分になってあれこれしゃべりまくる、いけない僕の悪い癖が出てしまった(笑い)。整備がひと段落ついたところで旦那さんが声をかけてくれ、ロードレックスの引き渡しとなる。実車を見るのは初めてだが、ドロップハンドルに太いタイヤ、旅感を漂わせる雰囲気を持っている、一目で気に入った。

扱い方の説明を受ける。といってもバッテリーの外し方と各スイッチの場所と内容くらい。基本は自転車だからね。あとは乗りながら自分でやってみよう。家族3人のあたたかいまなざしに見送られ、お店を後にした。

自宅までの10キロで分かったことは、ロードレックスが自転車としてとても走りやすいこと。さらにアシスト動力が自然で強くないので、違和感なくペダルがこげるということだった。同じ道を自転車で走ったことがあれば、疲れの違いなどわかるのだが、初めて走る道なのでそれはわからない。ただ、ペダルをこぐのは疲れるけど、同時に楽しいということもわかった。明日は天気も良さそう、ロードレックスで少し遠くまで走ってみよう。


幅の広いドロップハンドルを採用しているので多少の悪路も問題なく走れる
幅の広いドロップハンドルを採用しているので多少の悪路も問題なく走れる

ミヤタのロードレックスはオンオフどちらも楽しめるグラベルロードスタイル
ミヤタのロードレックスはオンオフどちらも楽しめるグラベルロードスタイル