アッシリア帝国のお城をイメージした建物は、LAのランドマーク的存在。(写真は公式Facebookより)
アッシリア帝国のお城をイメージした建物は、LAのランドマーク的存在。(写真は公式Facebookより)

 本日はアメリカのショッピングモールやアウトレットが1年で一番盛り上がる「ブラックフライデー」。毎年11月の第4木曜日と決まっているサンクスギビングデー(感謝祭)の翌日は、日付が変わると同時に多くの人がショッピングに繰り出す一大セールス日として知られています。サンクスギビングは家族が集い、収穫を神に感謝して七面鳥を食べながら健康と幸せを祝いますが、その後に待っているのは年末商戦の始まりです。

 近年はネットショッピングの台頭でブラックフライデーも百貨店をはじめとする小売店は苦戦を強いられており、今年も過去最低のセールスを記録すると見られています。それでも、今年も多くのアメリカ人が深夜から買い物を楽しむ姿があちらこちらで見られました。買い物客が殺到して小売店の売り上げが黒字に転じることから「ブラックフライデー」と呼ばれるようになったと言われていますが、アウトレットは激安商品を求めて大勢の人が訪れる場所の一つです。

一歩中に入ると近代的な造りで、ファッションからスポーツ用品、化粧品、子供服、おもちゃまでなんでも揃います
一歩中に入ると近代的な造りで、ファッションからスポーツ用品、化粧品、子供服、おもちゃまでなんでも揃います

 ロサンゼルス(LA)近郊にはいくつかアウトレットモールがありますが、中でも東に車で2時間ほど走ったパームスプリングスにある「デザート・ヒルズ・プレミアム・アウトレット」は日本人に人気があります。およそ180店舗が入る南カリフォルニアで最大規模を誇るアウトレットで、プラダやグッチなどの有名ブランド店も多数あるのが人気の秘訣ですが、LAからのアクセスが不便なのが難点。アウトレットは郊外にあるので、車がないとなかなか行けないと思っている日本人観光客も多いようですが、LAのダウンタウンから南に15分ほどの場所にも「シタデル・アウトレット」があります。しかもここは日本人にはあまり知られていませんが、ディズニーランドに向かう途中にあり、ダウンタウンから無料のシャトルバスも出ているので、実はとっても便利なんです。

開放的なアウトドアのモールには、130店舗のショップが軒を連ねています
開放的なアウトドアのモールには、130店舗のショップが軒を連ねています

 ダウンタウンから高速道路を南に下っていくと、道路沿いに古代のお城を彷彿させるひと際目立つ建物が見えてきます。シタデルとは「城塞」を意味しており、もともとは1929年に建てられたタイヤ工場の建物で、アッシリア帝国のお城をイメージして造られたと言われています。その当時の名残が今も残るシタデルは、1990年にアウトレットモールとしてオープン。当初は店舗数も少なく、閑散としていましたが、ここ数年で規模をどんどん拡大して今では当初の3倍以上になる130店舗を超える店が軒を連ねる一大アウトレットになっています。この秋からはさらにコーチやヒューゴ・ボス、トミーヒルフィガーなどが入った新しい2階建ての建物もオープンし、ブラックフライデーも多くの人で賑わっています。アディダスやコンバース、ナイキなどのスポーツショップ、ケイト・スペード、アルマーニ、マイケルコースなどの人気ブランドからリーバイスジーンズ、アメリカン・イーグル、H&Mなどのカジュアルウエアまで充実したラインナップで、フードコートもあるのでショッピングにつかれたら食事や休憩もできます。この時期のセールは、アウトレット価格からさらに50%や75%オフと言う目玉商品もあり、クリスマスまでは連日のように買い物客で大賑わいです。 

(米ロサンゼルスから千歳香奈子。日刊スポーツ・コム「ラララ西海岸」)