ロサンゼルス（ＬＡ）には多数のベーカリーがありますが、中でも地元っ子に大人気のベーカリーと言えばキューバ移民が始めた老舗「ポルトス・ベーカリー＆カフェ」。ＬＡ郊外に３店舗しかないため、ＬＡ各地はもとよりわざわざ遠方から訪れる人も多く、行列ができる人気店として知られています。

ＬＡ郊外に３店舗あるキューバの味が楽しめるポルトスは、地元で大人気の１９６０年創業の老舗ベーカリー

　キューバから移民してきた３児の母ロサ・ポルトさんが１９６０年に開いたベーカリーは、創業以来ずっとキューバのレシピで作ったケーキやペイストリーを提供し続けており、店内にはパンやペイストリー、ケーキがずらりと並び、ショーケースを見ているだけでワクワクします。テイクアウトだけでなく、店内でサンドウィッチやキューバ風のミルク入りコーヒーなどドリンクも楽しむこともでき、早朝から大勢の人で賑わいます。

見た目も美しいケーキは種類も多く、色々試してみたくなります

　ここを訪れた人が必ずと言って良いほど買い求めるのは、グアバジャムとクリームチーズが入ったペイストリーとポテトボールと呼ばれる日本で言うところのコロッケ。グアバを煮詰めたジャムはキューバでは人気のおやつで、クリームチーズと合わせてパイ地で焼いたペイストリーは、一度食べると病みつきになります。また、ポテトコロッケの中にひき肉が入ったまん丸のコロッケは、ミニサイズなのでスナック感覚で小腹が空いた時に食べるにもぴったり。ハムやシーフード、とろとろのグレイビーソースがアクセントのターキー・グレイビーなど種類も多く、値段も１個９９セントと言うお手軽さも人気の秘訣です。

ショーケースにはたくさんのペイストリーが並んでおり、好きなものを店員にオーダーすると箱に詰めてくれます

　イートインのおすすめは、ローストしたポークにとろとろのオニオンとガーリックがのったキューバで人気のサンドイッチ。付け合わせはフライドポテトではなく、キューバらしく揚げバナナが出てくるのも特徴です。普通のバナナとは違って甘さはなく、適度な塩味でパリパリとした触感が絶妙で、サンドイッチとの相性も抜群。これだけをサイドオーダーする人もいるほどです。甘い物好きなら、カラフルで見た目も美しいマンゴーなど南国のフルーツを使ったムースやケーキもおすすめ。アメリカの一般的なケーキよりも甘さ控えめでサイズも小ぶりなので、日本人でもおいしくいただけます。

甘酸っぱいグアバのジャムがたっぷり入ったペイストリーは、人気商品の一つ

　ポルトスのペイストリーやケーキはホームパーティーの手土産にすると喜ばれるので大きな箱いっぱい買い求める人も多く、誕生日やウエディング用のケーキをオーダーしたり、パーティー用のデザートにも重宝されています。ＬＡにいながらにしてキューバの本格的なデザートを楽しめるのは、移民大国アメリカならでは。観光客にはほとんど知られていない名店ですので、ユニバーサルスタジオを訪れた際に少し足を延ばしてバーバンク店に足を運んでみるのもおススメですよ。（米ロサンゼルスから千歳香奈子。日刊スポーツ・コム「ラララ西海岸」）